「エネ環ネット」は(株)エネルギージャーナル社が運営するWebページです。エネルギージャーナル社は、1968年から週刊「エネルギーと公害」、1978年から改題して「エネルギーと環境」(略称;エネ環)を
専門誌として発行しているメディアの会社です。
増え続ける人口に伴い、環境負荷も増大し続けており、エネルギー問題、環境問題は重要な社会問題として様々な取り組みがなされています。また、経済問題としてどう対処するかも大きなテーマになっています。「持続可能な社会」「資源循環型社会」の構築という総論については、ほぼ社会のコンセンサスありと考えてよいでしょう。しかしながら、その具体的な姿やそこに至る道筋に関しては、必ずしも社会的な合意ができているとは言えません。
地球環境問題に直面している人類が、限りある資源エネルギーをこの先も上手に利用していためには、原子力や石油系の化石燃料と自然エネルギーなどをどう組み合わせていくのか。循環型社会構築のために、あるいはダイオキシン類などの有害化学物質削減のために、ごみの焼却や最終処分という従来型の廃棄物処理処分対策をどう改善すべきか、またリサイクル社会を定着させるための方策のあり方は……などなど多くの論点が見られます。一方では、大量生産・浪費社会という今までの社会システムから思い切って決別するために、産業界などによる自主的な取り組みの強化とともに、環境税(炭素税)などの経済的手法の必要性も提起されており、ここ数年の間に大議論となることでしょう。
一見、これらの議論は二律背反のようにも見えますが、「持続可能な社会」を構築していく、という意味では同じベクトルを向いているはずです。
こうした中で、議論のベースとなる基本的な情報は共有されているのでしょうか。確かに昨今は情報公開法の制定や環境関係メディアの相次ぐ創刊などに見られるように、随分と私どもが日頃追っている関連情報も豊富になってきました。ただ、いつも感ずることは、デパートのようにあらゆる商品が揃っているごとく満遍なく関連情報に接することができても、専門店のような貴重かつ不可欠な情報、刻々と変化する動きや体系的に把握できる情報、ひとつの事象に対する異なる立場の人々の認識や見解、そうしたイキのよい情報が極めて少ない気がしてなりません。
「情報」は必要とする人がいつでもどこでも容易に入手できることももちろん大切ですが、その情報に対する共通理解や認識の醸成が十分に進まないのでは本来の役割を果たしているとはいえないと思われます。「エネ環ネット」はエネルギーと環境という専門店的なテーマを通して、一つの土俵を設定し、相互理解を形成するためのネットワークとして、異なる立場の人も一緒に活用してもらいたいとの考えで開設しました。
小社としましては、公正中立の一報道機関として、様々な立場の方々との関わりを通して所有した情報資源を、可能な限り解放し情報発信の場、議論の場を提供することによりお互いの情報共有、相互の理解を進める一助になれば、と考えている次第です。
小社として考えられるアイデアをもとに、下記のコーナーを設けました。エネルギーと環境関連の業務に日々携わっておられる専門家の方々、そうしたテーマに関心をお持ちの一般の方に、有効に利用していただけるよう努力いたします。また、「エネルギーと環境」の記事に対するご意見や、「こういうコーナーを設けてほしい」などのご要望、ご提案があれば積極的に対処したいと思いますので、ご連絡をいただければと存じます。
週刊「エネルギーと環境」 編集部