週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


有機フッ素「PFHxS関連物質」製品製造禁止

(化学物質対策)

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 政府は12月12日、有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)関連物質を、化学物質審査規制法の第一種特定物質に指定する政令を閣議決定した。17日付けで公布、6ヵ月以内に製造や輸入等が禁止される。
 PFHxS自体はPFOAやPFOSと同様に、人体等への毒性や難分解性、蓄積性が確認され、ストックホルム条約(POPs条約)の廃絶対象に決定されており、2023年に第一種特定化学物質に指定された。今回その関連物質についても、同様の影響等が確認されたため、第一種特定化学物質に追加指定した。
 併せて、同関連物質が使用されている場合に輸入することができない製品として、撥水性能又は撥油性能を与えるための処理をした生地や衣類等、金属加工や半導体製造に用いるエッチング剤、メッキ用表面処理剤、撥水材、消火薬剤など10 種類の製品を指定する。同様に使用中製品では、国の取扱い技術基準に従わなければならない製品として消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤を指定する。施行は2026年6月17日の見通し。








Ox環境基準52年ぶり改定・PM2.5も対策強化へ

(環境行政一般)

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 環境省は12月12日、「光化学オキシダント(Ox)の環境基準見直し」に関して、大塚直中央環境審議会会長から石原宏高環境相に答申されたと発表した。近く告示するとともに、都道府県等に通知する。
 Ox環境基準の見直しは、1973年に現行基準の「1時間値0.06ppm以下」を策定して以来、52年ぶりとなる。答申された新基準では、現行の短期基準を「8時間値において0.07ppm以下」に変更するとともに、新たに「日最高8時間値の1年平均値が0.04ppm以下」を加えた。測定方法は、「紫外線吸収法又はエチレンを用いる化学発光法」とした。
 一方で、環境省は同日「粒子状物質・光化学オキシダント対策ワーキングプラン」を策定した。Oxの環境基準見直しと並行して検討を進めてきたもので、プランは、@PM2.5(微小粒子状物質)の環境基準の見直し、APM2.5とOxの濃度低減に向けた排出削減対策、B東アジアとの国際協力の推進――について、今後の取り組み方針を示した。@については、26年度中に健康影響に関する知見を整理、27年度中に健康リスクの再評価を行い、早期の見直しを行う方針を提示。Aは29年までに総合的な排出削減シナリオを策定するとした。









環境省、再エネと共生で種の保存法見直しへ

(生物多様性保全)

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 環境省は12日、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存法の在り方検討会」の2回目会合を開き、「希少種の生息・生育地保全にかかる今後の方向性」について検討を行った。釧路市等におけるメガソーラーの乱開発を踏まえたもので、@生息地等保護区の指定促進、A土地所有者等に対する要請強化、B希少種の生息地等の把握・情報発信――に取り組み強化を図る方針を示した。
 @では、希少種の生息・生育上特に重要な地域を精緻に抽出し、第一種及び第二種の保護地域を問わず「生息地等保護区」が適する場合には、その指定を着実に推進する。そのため、指定手続きの運用改善及び指定にあたってのインセンティブ措置の検討を行う。
 Aでは、希少種の生息地等保全の観点から土地所有者等に対して指導・改善など要請措置の強化を図るとともに、事業者等に対応を求める際の実効性を担保する措置の制度化を検討する。Bでは、機密性の高い情報であることに留意しつつ、開発行為において適切な配慮がなされるよう、国内希少種を中心とする絶滅危惧種の生息・分布情報を収集し、ホットスポットなど希少種の保全上特に重要な場所の抽出を行う。併せて、自治体や民間事業者等に適切に情報共有・発信を行う仕組みを検討するとした。
 同省はメガソーラーだけでなく、風力発電など他の再エネも含めて地域共生のあり方検討を進める方針。









「防災庁」設置へ基本方針、法案通常国会提出へ

(国政一般)

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 政府は年内に防災・災害対策の基本方針を閣議決定する方針で、関係省庁との調整作業を進めている。策定する基本方針を踏まえ、来年11月に創設予定の「防災庁」の設置に必要な体制や権限などを定める法律案を来年1月に開会する通常国会に提出する方針だ。組織体制では数百人規模で構成する本庁を東京に置くとともに、事前防災の拠点として、想定されている日本海溝・千島海溝地震や南海トラフ地震において地方拠点となる出先を置く考え。
 防災庁本庁の役割等については、すでに内閣官房の防災庁準備室がアドバイザー会議による報告書をまとめており、防災対応の司令塔として中長期かつ総合的な防災に関する基本政策・国家戦略の立案や徹底的な事前防災の推進・加速などを指摘している。具体的には▽総合調整、▽戦略的な防災計画・対策の企画立案、▽災害発生時の事態対処――などの組織体制を編成、他省庁に対する勧告権も持つ。
 ただ、今後の各省調整においては、原子力関係の防災対策や気候変動に伴う災害対応(適応対策)など、境界設定が困難な課題もある。









自民党、メガソーラーのFIP廃止などを要請

(省・新エネ)

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 自民党は15日、経済産業部会、環境部会、国土交通部会などの合同部会を開いた。会合では政府におけるメガソーラー対策の検討状況について議論、大規模太陽光発電(PV)の地域共生・規律強化に関する提言を取りまとめた。
 提言は関連法案の規制強化に加え、FIT・FIP制度におけるメガソーラーに対する支援を27年度から廃止を含めた検討との文言を盛り込んだ。小林史明・経済産業部会長(衆院議員)は、「今後の支援は屋根置きPVをはじめとした地域との共生が図られる導入形態や、ペロブスカイト太陽電池などの次世代型太陽電池に重点化させるべき」と強調。26年の初め頃にも経産省の調達価格等算定委員会等で27年度からFIT・FIP制度のメガソーラー支援を廃止することを決める見通しだという。
 提言では改正等の対象法案として環境影響評価法、電気事業法、森林法、景観法、文化財保護法を明記した。環境影響評価法ではメガソーラーのアセスメントの義務付け対象を広げる。新設発電所について、3万kW以上としている基準を引き下げる政令改正をする方針という。
 年内にも関係閣僚会議を開き、政府の政策パッケージに盛り込む予定だ。










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