週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


有報の気候開示制度化へ・罰則対象外明確化

(環境金融)

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 金融庁は12月22日、金融審議会サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG会合を開き、報告案を取りまとめた。すでに同庁は先月26日にサステナビリティ開示基準(SSBJ基準:気候関連)の適用開始に向け、関係する内閣府令案を公表済み。
 同制度は、プライム市場上場企業を対象に、時価総額の大きな企業から順次、SSBJ基準に準拠した有価証券報告書を作成することを義務付ける。時価総額3兆円以上の企業は2027年3月期、同3兆円未満1兆円以上の企業は28年3月期、1兆円未満5千億円以上の企業は29年3月期適用を開始する。5千億円未満の企業への対応は別途検討する。経過措置として、適用開始から2年間に限り二段階開示を認める。また、第三者保証の義務化は開示基準適用の翌年から義務化する。
 これに先駆け18日には、同審議会のディスクロージャーWG会合が開かれ、有価証券報告書における虚偽記載に対する金融証券取引法上の責任(行政・民事等)範囲を明確化した。別途定める範囲・要件に合致すれば、罰則等を負わないとするもので、「セーフハ―バー・ルール」といわれる。サステナビリティ開示では、統制の及ばない第三者からの取得情報(CO2等排出量のうちスコープ3や行政機関の公表情報)などを罰則の対象外として、積極的な情報開示を促す。








国連環境総会、プラ条約制定再確認も土俵際

(国際会議・環境協力)

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 第7回国連環境総会が12月8〜12日にケニア・ナイロビで開かれ、閣僚宣言を採択した。我が国からは土居健太郎環境省地球環境審議官を筆頭に、外務省及び農林水産省からなる代表団が出席した。
 12日に採択された閣僚宣言の「強靭な地球のための持続可能な解決策の促進」では気候変動、生物多様性、汚染、循環経済等の幅広い分野での行動を促すとともに、プラスチック汚染に関する条約策定に向け「緊急に連帯して建設的かつ積極的に参画し続ける共通の決意」を再確認した。今年8月の政府間交渉委員会で、生産規制の実施等をめぐり交渉が決裂(2836)、事態の打開を目指し水面下での調整が継続中だ。
 このほか、日本はパナマと「シナジー(相乗効果)・協力・連携の国際環境条約及び他の関連環境文書の国内実施における促進」に関する決議案を共同提案、採択された。









公海生物多様性協定加入に向け国連に寄託

(国際会議・環境協力)

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 日本政府は12日、ニューヨークの国連本部において「公海等生物多様性協定」(BBNJ協定)の加入書をアントニオ・グテーレス事務総長に寄託した。
 「国連公海等生物多様性協定」は公海と深海底における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を目的として、海洋遺伝資源の採取・利用や利益配分、海洋保護区の設置、能力・技術移転などに関するルールを規定したもの。2023年に採択されたもので、今年5月に国会の承認が得られていた(発効条件は60ヵ国以上)。
 環境省は同協定の発効に備えて、6月に国内措置として「公海等における環境影響評価の実施に関するガイドライン」を策定・公表済み。









ヤード設置許可制、JESCOが災廃支援機関に

(廃棄物・リサイクル)

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 環境省は19日に中央環境審議会の廃棄物処理制度小委員会(委員長;大塚直 早稲田大学教授)を開き、今後の廃棄物処理制度のあり方に関する意見具申案をまとめた。制度改正の柱は、@不適正ヤード規制強化、APCB廃棄物への対応措置、B災害廃棄物への対応――の3点。意見募集を経て1月にも最終案として、廃棄物処理法改正案の提出を目指す。
 @は、不適正なスクラップヤード対策として廃鉛蓄電池や廃リチウムイオン電池(LIB)と金属・雑品スクラップに包括的規制の網をかける仕組みを設ける。新設ヤードに対し許可制等導入と不適正処理を行った事業者に対する業許可等の取り消し、罰則強化、帳簿記録義務化等の措置を設ける。また、廃鉛蓄電池等を対象に保管施設・設備の構造や処分方法等の基準を新設、これを満たす事業場のみ解体等の処分を認める。廃LIB対策では、収集運搬時や保管・処理時の発火防止対策を求める。
 Bの災害廃棄物対策は南海トラフや首都直下地震等への備えも想定、自治体のマンパワーやノウハウ、処理能力の不足を補うための調整支援機関を創設。候補として除染土壌等の中間貯蔵・処理を手掛けている「中間貯蔵・環境安全事業」(JESCO)を明記。廃棄物処理法と併せてJESCO設置法の改正も予定する。









公調委24年度苦情調査、受付件数は4年連続減少

(公害健康被害)

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 公害等調整委員会は12日、2024年度の全国の公害苦情調査結果を発表した。
 24年度の苦情受付件数は前年度比3.2%減となる6万6931件で、4年連続の減少となった。減少の要因は悪臭の苦情件数が同6%減の9156件で、大気汚染が同4.1%減の1万2630件となったことが大きい。典型7公害以外では、生活系廃棄物(家庭生活から発生するゴミ)投棄の苦情も同3.9%減の6112件に減少した。
 苦情受付件数を主な発生原因別にみると、工事・建設作業が最多の1万3134件、次いで焼却(野焼き)が9567件だった。発生源別では会社・事業所が3万921件と最も多く、次いで個人が2万451件と続いた。発生源の用途地域別でみると24年度も23 年度に引き続き、住居地域が2万7265件と最も多い。










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