週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

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Weekly Short Report


PV地域共生向け見直し、関連16法を対象に

(省・新エネ)

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 10月20日の自民党と日本維新の会による連立政権合意で、「来年の通常国会でメガソーラー開発を法的に規制する施策を実行する」と明記されたことを踏まえ、政府は太陽光発電(PV)事業の地域共生・規律強化を実現するため、9月下旬に設置した「関係省庁会議」での検討を急ぐ。
 経産省は、メガソーラーの設置に際しては土地造成と電気設備の安全性確保、自然環境及び景観の保全、適切な土地利用の確保など様々な公益との調整を図る必要があると指摘。同省と環境省、文部科学省、農林水産省、国土交通省の5省の課長級で構成される「省庁会議」において、▽各種の公益保護を確保するための関係法令における規律強化、▽公益保護に影響を及ぼすPV設備の放置実態、▽PVの導入支援における適切な規律のあり方――などを検討。年内の取りまとめを目指す。
 各省は関連法を対象に見直しの必要性などを検証したうえで、対応措置等の検討を行う。経産省は電気事業法(保安関係等)、環境省は温暖化対策推進法(促進区域制度)と環境基本法(各種環境基準等)、自然公園法(特別地域等の行為規制)、種の保存法(同左)、鳥獣保護法(同左)、環境影響評価法(各種手続き)、文科省は文化財保護法(天然記念物指定地域の変更許可等)、農水省は森林法と農地法、国交省は景観法、都市計画法、盛土規制法、砂防法、急傾斜地法等について検証を行う。再エネ特措法については、別途検討される見通し。一方で、高市政権は再エネ設置支援等の補助制度の見直しも課題に挙げており、関連する制度は16法に及ぶ見通しだ。
 なお、上記検討会ではメガソーラー開発のみを対象としているが、環境省は種の保全法等の検証を行い、風力発電等についても地域共生の観点から制度検証、見直しを進める考えを示している。








FLOWRA、技術開発と地域共生で欧州と協力

(省・新エネ)

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 浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA、東京都港区)は28日、都内で記者会見を開いた。寺ア正勝理事長は浮体式洋上風力の量産化やコスト低減技術の確立について、政府支援と組合の拠出を合わせて「約60億円の規模で研究開発を進めている」と語った。さらに洋上風力に逆風が吹く中、日本企業が主導して「国際的な基準を定めたい」と強調した。(表紙に写真)
 また寺ア理事長は、洋上風力導入で不可欠となっている漁業関係者などとの共生や開発海域の環境保全について、「フランスやポルトガルなども漁業が盛んで同じ悩みを共有している。欧州では海洋空間計画が定められていて、この計画を活用して浮体式洋上風力導入と漁業関係者との共生や海域の環境保全を実現させようと検討している。日本でも内閣府が中心となって具体的な議論が今後進む。当組合も積極的に意見交換していきたい」と語った。
 同日は国際フォーラムも開かれ、英国、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フランスの浮体式先進国と技術開発において協力することを確認した。FLOWRAは24年3月に大手電力会社や総合商社などが参画して設立。10月末時点で21社が加盟する。さらにメーカーやゼネコンなど日本企業76社と技術開発で連携する体制を構築する。









三井住友建設、鶏ふんバイオガスの実証を開始

(バイオマス)

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 三井住友建設は29日、採卵鶏ふんを活用した無排水型バイオガスの実証プラント(写真)を西那須エッグファーム(栃木県那須塩原市)に建設し、実証運転を開始したと発表した。
 同社は環境省の「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環として、「採卵鶏ふんを単一原料としたエネルギー回収技術の開発」を実施中。処理が難しいとされていた高窒素原料の採卵鶏ふんから再エネを作り出すことを目的としており、無排水型バイオガスプラントの実証運転を通じて採卵鶏ふんを単一原料とする安定的な窒素除去などの実現を目指している。
 従来のメタン発酵では、採卵鶏ふんの高濃度窒素が発酵を阻害するため、大量の水で希釈する必要があり、排水処理によるコスト増大が課題だった。今回の実証プラントでは@窒素を除去する前処理、A発酵残漬の液分を原料投入槽へ再循環する二つのシステムを導入したことで、無配水型バイオガスプラントとした。









資源法改正踏まえ環境配慮認定指針骨子案提示

(資源循環)

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 経済産業省と環境省は27日、産業構造審議会と中央環境審議会の合同会議を開き、「資源有効利用・脱炭素化促進設計指針」の骨子案をまとめた。
 資源有効利用促進法の改正により創設した「環境配慮設計認定制度」に基づく措置で、特に優れた資源有効利用・脱炭素化促進設計を国が認定。認定された製品は、▽国による公表と周知、▽差別化できる製品表示、▽グリーン購入法における国の調達の基本方針における配慮、▽関連設備投資への産廃処理施設整備法に基づく指定法人による債務保証等、▽事業者等の使用努力義務――などの措置が講じられる。対象となる製品は、同法で指定された指定再利用促進製品(50品目)を予定する。
 指針案では、@指定製品の製造・設計事業者が取り組むべき事項、A設計認定にあたって適合すべき事項――などを規定。@では「資源循環に関する項目」として、原材料等使用合理化、再生資源・再生部品の利用、耐久性向上をはじめ、修理と収集・運搬、分解・分別、再資源化の容易化など、「脱炭素に関する項目」としてカーボン・フット・プリントの算定・公開、エネルギー使用とエネ効率の算定と公開などに努めるよう求めた。
 加えて、再資源化事業者等との連携、水使用量及び製品中の懸念物質の最小限化と公開、製品情報の発信と体制整備、第三者認証制度の活用、使用・処理における安全性確保なども求めた。
 両省は同指針を年内にも策定。来年4月1日の改正法施行に向けて、業所管省が関係業界団体等に対して「製品分野ごとの設計認定基準」の策定を促し、できるだけ早期の認定開始を目指す。









改正アセス法建替特例対象は火力・風力・地熱

(環境アセスメント)

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 環境省は10月27日、先の環境影響評価法(アセス法)改正で創設した建替事業合理化措置の対象事業を「火力発電、風力発電、地熱発電」とする方針を示した。同日開かれた「改正環境影響評価法の施行に関する技術検討会」の会合で示した。
 改正アセス法では、@建替事業に係る配慮書手続きの合理化、Aアセス図書の継続公開――の措置を講じた。@の合理化措置は、「位置や規模が大きく変わらない建替」の適用要件を満たす事業に対して、現行の配慮書に代えて周囲の概況調査を省略する等の措置を講じる「建替配慮書」の作成を認めるもの。この対象事業としては、当面上の3発電事業を対象とする方針を示した。検討会は引き続き「既設工作物と新設工作物の各設置区域の距離」と同じく「工作物の規模の比」などの適用要件を定めるとともに、「建替配慮書」の記載事項も定める。
 Aは、事業者による縦覧等の期間後もアセス図書(配慮書、方法書、準備書、評価書、報告書)が縦覧できるよう、環境大臣がアセス図書を入手したうえでインターネットで公開できるようにする。公開期間は事業者からの同意を得た日から30年とする方向で検討中。引き続き継続公開に当たっての留意事項を検討する。@は2年以内、Aは1年以内の施行を予定している。










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