週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


中東情勢によるエネ価格高騰で3.1兆補正予算成立

(法案動向)

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 中東情勢の悪化に伴う原油供給不安及びエネルギー価格高騰に対応するための2026年度補正予算が6月5日、参院本会議で与党及び国民民主党、チームみらいの賛成多数で可決、成立した。立憲民主党、公明党、参政党、共産党、れいわ新選組は反対した。
 一般会計の歳出総額は3兆1135億円。「中東情勢等対応予備費」を新設して2兆5000億円を充当、ガソリン補助金の財源積み増しなど、エネルギー価格高騰による国内経済への対応策に充てる。また使途を限定しない一般の予備費として5135億円を計上、電気・ガス料金の補助で取り崩した分を穴埋めする。残りの1000億円は重点支援地方交付金として、特別高圧電力やLPガスの利用者支援などに充てる。
 この日の参院予算委員会で、野党側は予算の大半を予備費が占めていることに対し使途があいまいだと批判したが、高市早苗首相は「先行きが見えないからこそ、臨機応変に使える予備費にした」と反論。また今後の物価高の対応にも活用可能との考えを示した。






改正南極保護法が成立、建築物省エネ法衆院通過

(法案動向)

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 南極周辺海域における環境保護対策強化を目的として環境省が提出した「南極地域環境保護法」(南極条約環境保護議定書の担保法)の改正案が2日の衆院本会議で全会一致により可決・成立した。
 南極地域は近年、観光船などが急増。海上での油流出事故による環境汚染が発生したことなどを踏まえて、海域での大規模汚染策の抑止及び原状回復を目的としてこの議定書に基づく附属書Yが2005年に採択されていた。しかし、批准国数が発効要件を満たさず、いまだに未発効となっていた。こうした中、日本は先月開催された条約締約国会議のホスト国を担ったこともあり、附属書Yの国内担保措置を盛り込んだ改正法案を今国会に提出していた。今回の改正案は、環境相による事前確認が必要となる「南極地域活動」の適用対象に、「上陸を伴わない観光船・科学的調査船」を追加。確認申請事項に防止措置を加え、申請者に緊急時計画の作成を義務付けた。緊急事態の発生時には、環境相への通報と緊急時計画に伴う対応策やその費用負担規定も措置した。並行して、附属書締結に関する審議も行い、5月29日付けで承認された。施行期日は附属書発効後の1月後となる。
 このほか6月4日には、建築物のライフサイクルカーボン評価制度や先導的な省エネ技術評価認定制度等を創設する「建築物省エネ法改正案」(国交省提出)が賛成多数により衆院本会議で可決、参院に送られた。






26環境白書、循環経済・CO2とクマ対策・水俣も

(環境施策一般)

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 政府は5日、2026年版の「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を決定した。白書では、第一部で「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」をテーマに掲げ、「循環経済行動計画」に基づく今後の取組等について紹介している。
 一方、CO2削減対策では、「大規模太陽光発電事業に関する対策パッケージ」の策定を取り上げ、不適切事案に対する法的規制の強化、地域の取組との連携強化、地域共生型への支援の重点化などを指摘。GXや水素、JCM等と気候変動適応策への強化等に取り組む方針を示した。
 生物多様性保全では、25年度の全国のクマ出没件数が過去最多の5万件超に上ったことなどを挙げ、「国民の安全・安心を脅かす深刻な事態となった」との危機感を示し、対策ロードマップを踏まえ自治体支援や個体数管理、関係省庁・自治体間連携を強化して被害軽減に力を入れる。あわせて、自然共生サイトや国立・国定公園の拡張も進める。
 水俣病関連では、公害健康被害補償法に基づく認定患者数に関してこれまでは存命している人数のみ記載していたが、これでは被害の全容が伝わらないとの被害者団体からの要請もあり、亡くなった人も含めた総数を初めて示した。







太陽光発電アセス対象規模、2万と1.5万kW引下げ

(環境アセスメント)

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 環境省と経済産業省は1日、合同の太陽光発電(PV)事業等の環境影響評価に関する検討会(座長;大塚直・早稲田大法学部教授)を開き、環境アセスメント法に定める対象事業のうち、PVの規模要件を見直す考え方をまとめた。
 PVについては、第1種事業として現行の出力4万kW以上を同2万kW以上(開発面積50ha相当)に、アセスを実施するか個別に判定する第2種事業は現行の3万kW未満を1.5万kWに引き下げる。なお、アセス法によりカバーされないPV事業等については、自治体の条例や環境省のガイドラインなどによる対応としている。一方で風力発電についても現行対象規模の妥当性が議論されたが、規模要件の見直しから日が浅い、今後建設予定の規模は大半が出力5万kW以上などの理由から、現行の5万kW以上(第1種)と3.75万kW〜5万kW未満(第2種)を維持する方針を決めた。
 PVアセスの対象規模見直しについては、アセスメント法に関するそのほかの課題とともに、関連する委員会において実施時期等も含めて今後整理される。






公調委年次報告、25年度公害紛争処理状況を公表

(公害健康被害)

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 総務省の公害等調整委員会は5日、2025年度年次報告を発表した。公調委は総務省の外局として設置され、裁定や調停などによって、公害紛争の解決を進める準司法的な権限を行使する独立行政委員会。
 年次報告では25年度の公害紛争の処理状況を紹介した。25年度の公害紛争事件は、前年度から繰り越された36件と25年度に新たに受け付けた26件の計62件。このうち、26件が25年度中に終結し、残り36件は26年度に繰り越されたという。
 25年度に終結した主な事件として、岐阜県羽島市における工場からの粉塵による健康被害責任裁定事件などがある。同事件は被申請人の操業する工場の近隣に所在した就業先である作業所において、紋紙作成などの業務担当従業員が、工場から飛散したアスベスト粉塵にばく露したことにより、悪性胸膜中皮腫に罹患し死亡に至ったという訴えだ。公調委は、直ちに裁定委員会を設け、3回審議した。委員会は審議結果として、従業員の悪性胸膜中皮腫の罹患と工場からのアスベスト粉塵の飛散との間の因果関係を認め、申請をおおむね認容する裁定を行い、事件は終結した。損害賠償金は計3300 万円だった。









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