週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


20日までCOP31開催、排出ギャップが焦点

(地球温暖化対策)

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 年1回開催される国連気候変動枠組み条約の第31回会合(COP31)がトルコ共和国のアンタイルヤで、来週の9〜20日まで開催される。世界各国から150超の国や関係団体・企業、NGO等が参加する見通しだが、我が国は右代表の笹川環境相が国会日程の関係から、出席するかどうか未定だ。
 COP31の最大の焦点は、10月21日に国連環境計画(UNEP)が「排出ギャップ報告書2026」として公表した、パリ協定に明記した地球の平均気温上昇を1.5℃に抑制する目標が困難になっている現実にどんな国際的対処を打ち出すか。同報告書では、9月にUNEPがまとめた1.5℃をオーバーシュートする現況に入ったとのレポートを踏まえ、そのオーバーシュート規模(1.5℃を最大で何度まで抑えるか、その期間の最小化、さらに2100年まで1.5℃以下に戻す道筋)を指摘しており、どこまで各国共通の対応を示せるかが焦点となる。
 排出ギャップ報告によれば、1.5℃最小限OSシナリオの分析では世界のCO2等排出量を2025年比で30年△18%、35年に△45%が必要なところ、最新のNDC(各国の申告削減目標)集計ではそれぞれ△5〜8%、△11〜15%にとどまるという。また、期限までのNDC未提出が40数ヵ国もあるほか、米国のパリ協定脱退の影響もあって展開は不透明だ。
 なお、COP31にはジャパンパビリオンとして、JFEエンジニアリング、LIXIL、竹中工務店、ダイキン工業、AGC、三菱重工業、三菱電機・衛星データサービスなど20件余の企業が出展する。






GX−ETSバンキング、排出枠量の15%案

(排出量取引)

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 経済産業省は27日、産業構造審議会排出量取引制度小委員会(委員長;大橋弘東京大学副学長)を開き、CO2等排出量取引制度(GX―ETS)の対象事業者が余った排出枠を翌年度以降に持ち越す「バンキング」の可能量について、各事業者の前々年度分の排出枠割当量の15%までとする方針を示した。
 バンキングは、将来の規制強化など各社に課される義務履行に柔軟に対処できるようにするため必要な措置である一方、過度に排出枠を抱え込むことになれば、取引市場の流動性が下がったり、取引価格の高騰を招く弊害が指摘されている。このため、経産省はバンキング可能量の上限設定が必要として「前々年度分の排出枠割当量の15%」とする方針を示した。バンキング可能量を超えて余った排出枠は後年度の割当量から差し引く。当該措置の適用は、2029年度の割当てから実施する。31年度以降については30年度までの市場取引等を考慮しつつ、割当水準や上下限価格の設定の方向性の議論と併せて、その水準や継続の必要性を改めて検討するとした。
 また同会合では、各事業者のCO2排出量と排出枠割当量を公表する方針も示した。その際に一定の配慮も講じる考えも示した。次会合以降でこのバンキングのほか、市場機能の監視方法や中東情勢を踏まえた対応、28年度から制度開始を予定する「化石燃料賦課金」の詳細等を検討、年末の取りまとめを目指す。






防災庁発足、初代細野防災相は各方面に緊急要請

(防災対策)

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 災害対応の司令塔となる防災庁が2日、発足した。初代防災相には細野豪志氏が就任、復興相を兼務する。同日の会見で「日本の防災は変わったと言っていただけるために、第一歩を踏み出したい」と語った。
 防災庁は発足にあわせて、国民及び自治体、各府省庁に「事前防災徹底のための緊急要請」を出した。国民には「一人一人が自らの命は自らが守る」との意識で事前防災を徹底することが必要と指摘。▽耐震診断、耐震化、▽水・食料、携帯用トイレ等の備蓄、▽ハザードマップ、避難場所等の確認、▽非常時持ち出し品の準備――などを要請。自治体向けには都道府県を通じ市町村に対し点検・支援体制の強化を要請。各府省庁には所管事項を踏まえ防災対策の点検と体制強化を促した。
 初代事務次官は長橋和久内閣府防災監が就任した。







生物多様性COP17、目標達成の加速化で合意

(生物多様性保全)

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 アルメニア・エレバンで10月19日から開かれていた生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)は30日の深夜、「迅速に対策を加速させなければ「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(KM-GBF)の2030年目標達成ができないことへの深い懸念を表明した「グローバルレビュー」を採択して閉幕した。
 採択文書では、今後の取り組みの道筋を「エレバン・パスウェイ」として示し、▽対策の加速化、▽資金・能力構築・技術移転等の実施手段の強化、▽政府及び社会的な取組の強化――などに合意した。また資金では、先進国から途上国への資金供与の目標(25年まで年間200億ドル・30年までに同300億ドル拠出)が未達としてその実現を求めたほか、生物多様性に有害な補助金等の見直し・廃止と有用な補助金の拡大等を求めた。






環境省、水質法総量管理基本方針年明けに公表へ

(水質保全)

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 環境省は29日に中央環境審議会水環境・土壌農薬部会(部会長;古米弘明・中央大学研究開発機構教授)を開き、水質汚濁防止法に基づく「第10次総量管理基本方針」の概要を示した。今年5月に示された中環審答申の「第10次水質総量削減のあり方答申」を踏まえたもので、これまでの「水質総量削減制度」を「水質総量管理制度」に改める。同省は年内に閉鎖性海域指定水域(東京湾、伊勢湾、大阪湾を含む瀬戸内海)の指定地域自治体(20都府県)と協議。年明けにも「総量管理基本方針」を公表する。その上で環境省は指定都府県に「総量管理計画」の策定を要請、秋頃の公表を求める。
 中環審答申では、環境悪化の恐れがなく、海産物など水産資源の確保等の観点から栄養塩類を増やすなどの地域ニーズがある場合には、「栄養塩類管理計画」を策定して栄養塩類の増加措置を可能とした。その際は、COD・窒素・リン等の総量規制基準を適用除外とする。その場合に、水質予測システムを活用した事前評価や目標の設定、モニタリングの結果に応じた計画見直しなど順応的管理の徹底を併せて求める。
 すでに瀬戸内海では瀬戸内海環境保全特別措置法を改正して栄養塩類管理制度を導入。香川県や愛媛県などが「栄養塩類管理計画」を策定するなど先行しており、これを他の閉鎖性海域にも拡大する。










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