今月のキーワード エネルギージャーナル社

今月のキーワード

転居機会にシンプル生活でゴミ減量
2019/07/10(Wed) 文:(山)

 最初から個人的なことで恐縮ですが、父母もすでに鬼籍に入り、兄弟もそれぞれ独立して一家を設けているので、家内と飼い猫の二人と一匹きりになった。そのため一軒家に住む必要もなくなり、マンションに転居することになった。
 それで家の押し入れや物置の中を整理していたら、いろいろなものが出てきた。たいした家柄でもないのに、大昔からの家系図やら黄色く色あせして誰だか判別できないような写真、何に使ったかわからないような道具なども出てきた。それなりに面白くて眺めていると、引っ越し作業がなかなか進まない。狭いマンションに、これらをすべて持っていくのは無理だが、捨てるのは惜しい。そこでパソコンを利用することにした。
 恥ずかしながらIT音痴の小生は、パソコンはこれまで原稿を書いたり、電車の時間や天気予報を調べたり、メールを送受信したり、馬券を買ったりする程度でしか使っていなかった。だが、こうした古い写真や文書などもしっかり取り込めることが分かり、それで説明書を読みながら、必要そうな文書や写真はパソコンに取り込み、ひまなときに見ることにした。
 その結果、なにが起きたかというと、パソコンに収納した写真の紙焼きやそれらが貼られていたアルバムなどのごみの山の出現である。当然ながら写真関係以外にも、この際整理すべき書物や衣類、食器類など膨大なごみが出現した。いっぺんに出すわけにはいかないので、ごみ収集日に少しずつ出している。それでも燃えるごみは清掃工場で燃やし、その熱で電気をつくったり、温水プールに利用したりしているので、多少は環境に役立っているのかもしれない。ごみを燃やして出てきた灰は高温で溶かして固めたエコスラグにして利用することもあるが、コストがかかるので、大半は埋め立てに使われているようだ。埋め立てにも限界はあるのだろうから、転居後はなるべくごみを少なくしたい。
 ごみといえば、最近は石油由来のポリエチレンやポリプロピレン製のいわゆるポリ袋が海に流れ込み、汚染や海洋生物に危害を加えている。ポリ袋自体に問題があるのではなく、捨てる人に問題があるのだが、現実に被害が出ているのだから規制は必要だろう。マンションに引っ越したら、昔のように買い物かごを持って出かける環境にやさしいシンプルな生活を心がけようと思っている。




若者による「ダイベストメント宣言」の行方
2019/06/28(Fri) 文:(水)

 今月は月末には大阪市でG20の首脳会議があり、わが国の政治経済問題へのパフォーマンスが世界中の注目を集めることになる。安倍晋三首相にとっては、来年の五輪・パラリンピックを控えて会議を成功裡に終わらせ、「日本ここにあり」という存在感に弾みをつけたい思いであろう。
 G20の首脳会議に向けた農林水産・貿易・財務・エネルギー・環境分野などを担当する大臣会合はすでにいくつか開催されており、共同宣言などの成果が出されている。福岡市で今月8〜9日に開催された「G20財務・中央銀行総裁会議」もその一つだ。ほとんど報道されていないが、その会議に「パリ協定」関連の要望書が提出された。提出者は環境NGOの50.orgJapan で、「ダイベストメント宣言」というタイトルがつけられており、宣言内容を実現するよう財務大臣、日本銀行総裁、金融庁長官およびみずほ、三菱UFJ、三井住友の各フィナンシャルグループのトップに求めている。
 宣言では「預金先の銀行および投資先の金融機関が、地球温暖化を促進するビジネスを支援し続ける場合、私・弊団体は2020年東京オリンピックまでに『地球にやさしい預け先』を選びます」という内容。要は、わが国のメガバンクが世界の1位(みずほ)、2位(MUFG)、4位(SMBC) を占める石炭火力事業への投融資を引き上げるように促し、それがダメな場合は貯預金口座を他の金融機関に移すという“宣戦布告”である。
 NGOの350Japan は、「市民の力で100%自然エネルギー社会を」をキャッチフレーズに、若い世代を中心にした国際的な組織で、▽化石燃料を掘り出さない、▽お金の流れを変える、
 ▽脱炭素社会の構築――を活動の目的としている。「350」という名称の由来は、今まで通りの地球生態系の維持のためCO2濃度を350ppmまで低減させる必要があると語ったNASA宇宙研究所の前所長ジェームズ・ハンセン博士の発言を引用している。こうしたポリシーに共感する若い世代が日本にも増えてきており、企業だけではなく大学・組合等でも活動が活発化しているという。しかも今回は日本の市民運動では珍しい直接行動を予告したメガバンクへの警鐘となった。ダイベストメントの行方もさることながら、若い世代による行動型運動の行方にも注目したい。




「カーボンリサイクル技術」への賭け
2019/06/12(Wed) 文:(水)

 6月の日本はG20(20ヵ国・地域会議)の季節でもある。月末に大阪で開かれる首脳会議に向けて、エネルギー・環境大臣会合など特定分野の一連の会合も開催され、地球温暖化対策や廃プラスチック問題への国際的な共通の取組が決定される。
 温暖化対策の行方に関して、最近にわかに内外で注目されているのが「カーボンリサイクル技術」の実証研究と実用化だ。これまでもCO2を吸収・貯留する技術として「CCS」は実証化されつつあるが、さらに最近はこのCO2を炭素資源(カーボン)として捉え、回収した後に多様な炭素化合物に再利用(リサイクル)する「CCUS」への取組強化が各国で重点的に進められている。
 わが国も、昨年後半から同技術を温暖化対策の“切り札”と位置づけ、CO2を対象物質に▽回収コストの低減、化学品・燃料・鉱物などの素材資源に転換する技術の開発、▽炭素由来の化学品・資源等の用途開発――を官民挙げて展開中だ。今年2月にはその推進母体となる「カーボンリサイクル協議会」がスタート、主要業界団体などが構成メンバーとなって炭素イノベーションに挑戦する。加えて、経済産業省は近く「カーボンリサイクル技術のロードマップ」をまとめ、国際協調のもとでそれに邁進する。
カーボンリサイクル技術実用化への挑戦は、見方を変えればCO2削減対策が手詰まりに陥っている裏返しでもある。昨年12月の気候変動国際会議(COP24)では、地球の平均気温上昇を1.5度〜2度未満に抑える考え方が示されたが、これを実現するためにはわが国はじめ主要国がすでに提出しているCO2等削減計画の大幅強化が必至となる。特に、再生エネ導入と原子力発電の稼働に出遅れているわが国は、2030年の削減目標さらにその先の50年における80%削減に向けた有力な方策を見定めることができず、カーボンリサイクルという新たな技術開発に“神頼み”のようにすがることになった。
 しかし、一つの未知の技術に頼ることの危険性は今さら指摘するまでもなく、加えてそれが失敗した場合の対応策も未定であり、温暖化の進行は進むばかりだ。ここはもう一度原点に立ち返り、化石燃料の利用をどうしたら効率的にできるか、再生エネをどこまで拡大できるか、地道な対策も再検討すべきではないか。



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