今月のキーワード エネルギージャーナル社

今月のキーワード

ゼロカーボンシティ実現の取り組みを急げ
2021/06/22(Tue) 文:(山)

 世界中がこの1年半あまり、コロナウイルスに振り回されながら6月をむかえた。今年2〜3月頃には収まりつつあるのではと期待したが、3月の終わりころから感染者の数が再び急激に増えてきた。せっかくワクチンを輸入したのだから、個人的にはとっととワクチンを接種したいと思ったが、順番があるようで、ようやく7月末に1回目の接種を受けられそうだ。それまではウイルスと接触しないように気を付けて生活しなければならない。
 話は変わるが6月といえば梅雨、コロナウイルスだけでも鬱陶しいのに雨の日が続くようだと更に鬱陶しさが増す。とはいえ、それは都会で生活する人の考えで、稲作などの農業にとっては田植えの後の稲の成長を促す「恵みの雨」である。雨が稲の成長と同時にコロナウイルスを海のむこうに流してくれるように働けばよいのだが、そう簡単にはいかないだろう。
 日本気象協会によれば、今年は梅雨前線の北上が早めで、活動が活発になりやすい。九州や四国、本州も長雨の季節に入った。関東地方以北を除いて梅雨入りが平年よりも一ヵ月も早かった。
 本号の特集は「CO2等2030年46%超削減の衝撃」です。つまり2030年までに温室効果ガスを46%以上削減し、再生可能エネルギーによって稼働される都市、すなわちCO2排出量が少なく、地球環境に害を及ぼすことが少ない都市を増やさなければいけない。環境省では2050年に温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を首長が公表した自治体をゼロカーボンシティとしている 。
 政府は2050年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記することにより、政策の継続性・予見性を高め、脱炭素に向けた取り組み・投資やイノベーションを加速させるとともに、地域の再生可能エネルギーを活用する脱炭素化の取り組みや企業の脱炭素経営の促進を図る「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が5月26日成立した。
 「言うは易く行うは難し」のような気もするが、ぜひ実現していただきたい。政府にとっては当面のコロナ対策とともに、最も重要な取り組みといえるのではないかと思う。




温室効果ガス排出量「30年46%減」の持つ価値とは
2021/05/31(Mon) 文:(M)

 「羽生にらみ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。プロ棋士の羽生善治さんが対局相手をにらんだ眼光が鋭いため、こう表現されるようになった。「盤面を集中して読んでいる状況で顔を上げたに過ぎない。何気なく見ているのだ」と羽生さんは著書『決断力』(角川新書)で弁解している。
 菅義偉首相が決断し、日本の2030年度の温室効果ガス排出削減目標を13年度比46%削減にすると表明した。現状の26%減よりも大幅な引き上げとなる。何十手も先を読んで最善の一手を決断する羽生さんのように、首相も集中して熟考したのだろうか。
 羽生さんは同じ著書で、「『まだその時期じゃない』『環境が整っていない』とリスクばかりを強調する人がいるが、環境が整っていないということは、逆説的にいえば、非常にいい環境だといえる。(中略)リスクの大きさはその価値を表しているのだと思えば、それだけやりがいが大きい」と述べている。リスクが大きいほど、挑戦して克服した時に得る価値も大きいということだ。
 では新しい目標の「46%減」は、環境が整った上での決断だったのか。現状の最大限の努力でも40%減が限界だったと言われている。菅首相自身は「積み上げた数字で全力を挙げれば、そこ(46%)が視野に入った」と説明する。何とか「46%減」に到達できる環境が整ったということのようだ。
 では「46%減」に大きな価値があるのか。首相表明の翌日、小泉進次郎環境相は「政府が明確な意志と覚悟を示すことで民間のESG(環境・社会・企業統治)金融を動かす」と発言した。民間の投資を誘導する旗印として、高い目標を掲げる価値があるという。
 では「46%減」は、国民にとってどれだけの価値がある数字なのだろうか。巨費を投じて目標を達成したとしても、企業が疲弊し、国民生活にも大きなしわ寄せが出たらどうだろう。菅首相は成長戦略やイノベーションを強調するが、国民生活がどのように豊かになるのかが伝わってこない。積み上げの中身(削減の内訳)はもちろんだが、46%減が持つ価値を説明してほしい。価値がわからなければ、企業も国民も高い目標に向かって排出削減に取り組む意欲が沸かない。




子どもたちを考えるとやはり再生エネが一番
2021/05/06(Thu) 文:(山)

 4月も半分が過ぎました。小学校、中学校、高校、大学の新入生も、新しい環境に慣れて勉学に励むとともに、新しい友人ができて、皆でスポーツなどにも取り組んでいるのではないかと思います。ただ、4月29日から5月5日までは4月30日と土曜日の5月1日(メーデー)を除いて長い休日があります。
 大きなお世話かもしれませんが、学校が始まって1ヵ月足らずでこれほど休みが多いというのはいかがなものかという気がします。もちろん働く人たちには体を休めるとか、家族旅行するとか、結構なことなのだとは思いますが…。
 エコノミックアニマルと揶揄された働きずくめの日本のサラリーマンにとっては旗日が多いことはありがたいことでしょう。ですが、少なくとも「昭和の日」はいらないのではないでしょうか。さらにいえば、「みどりの日」「スポーツの日」などもいらないように思います。旗日を増やせば、おそらくその分、別の日に仕事量が増えるだけということになりかねません。
 突然、話しは変わりますが、本号の特集は高層ビルや商業施設のなどの電気を再生可能エネルギー100%にしようと取り組んでいる企業を紹介しています。再生100%エネとは、これまで化石燃料と呼ばれる石油や石炭、天然ガスなどを使っていたのに対し、太陽光や風力、水力、地熱といった自然界に存在するものを使って再生エネルギーに変換しようということです。
 化石燃料は燃焼により、環境汚染物質が排出されるし、世界中で使うようになれば、やがては枯渇することも考えられます。一方、再生エネは環境汚染物質の排出はないので、環境にやさしく、文字通り“再生可能”で、太陽と地球がなくなるまではどんなに使っても枯渇する恐れもありません。また、日本は幸か不幸か、化石燃料資源はほとんどなく、ほぼすべてを海外に依存している状況です。万一、産油国などで戦争でも起これば大変なことになりかねません。長い目で見れば、お金を払って化石燃料を輸入するよりも、太陽光や風力などの“再生可能”なエネルギーを着実に増やしていく方がよいのではないでしょうか。
 再生エネの大量普及にはまだまだ難しいところもあるとは思います。でも、日本の産業や国民の生活、将来を支える子どもたちのことを考えると、再生エネの大量普及が何よりも重要ではないかと思われます。



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