週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2550.2019.10.24




 第1レポート 次の記事

…1kW当たり毎月150円程度で年間1800円支払いへ、FIT電源遡及適用には猛反発…


23年度導入へ向け、発電側基本料金の詳細検討進む


 電力・ガス取引監視等委員会は、送配電系統網の託送料金制度見直しの一つである発電側基本料金制度の詳細検討に着手している。2023年度の制度導入を目指しているが、FIT認定の稼働済み再生可能エネルギー発電所の問題など、様々な懸念事項が指摘されている。

■発電側全体の負担額は年5300億円相当
 発電側基本料金とは、系統を利用することで得られる受益の一部を発電設備設置者にも課金する新制度。発電側基本料金の導入自体は18年7月に閣議決定されており、23年度導入を目指している。発電側と需要側の両方で等しく受益していると考えられる、超高圧変電所や一次変電所などを含めた上位系統にかかる費用のうちの固定費について、すでに稼働している既設発電所も今後開発される発電所も一定割合を負担することになる。
 発電側全体の具体的な負担額は、託送料金原価の1割程度にあたる約5300億円。原子力発電、石炭火力、太陽光発電(PV)など電源種にかかわらず1kW当たり毎月150円程度で年間1800円をメドに支払うようになる。
 電力・ガス取引監視等委は10月18日、制度設計専門会合(座長;稲垣隆一弁護士)を開いた。会合では発電側基本料金制度の詳細設計内容が議論された。具体的には発電側基本料金の課金・回収にかかる契約内容の検討だ。

■最大受電電力などを前提に料金算定へ
 事務局は課金対象となるkWの算定方法案を提示した。現行の実務規定では、発電場所ごとに一般送配電事業者と発電側が「最大受電電力」(kW)を設定し、その最大規模まで系統側に電力を流して良いとされている。発電側基本料金は、この最大受電電力を用いて算定する方針を示し、委員からは特に異論はなかった。最大受電電力は「ある発電地点において設備上利用できる電力の最大値(発電容量―最低負荷容量)」を指し、系統接続時に決定することが基本となっている。一般送配電事業者は、この最大受電電力などを前提に、想定潮流の合理化などを織り込んだうえで、系統容量の空き状況を算定している。




(以下については本誌2550を参照ください)



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…相次ぐR&D国際会議の主役。褐炭水素事業と福島の再エネ活用動き出す…

水素エネルギー開発、国際連携でコスト削減模索



 水素エネルギーの実証化・商業化に向けた官民の取組が加速している。商業的な普及は2025年〜30年頃と想定されているが、来年の東京五輪では福島水素プロジェクトによる水素製造・運搬・バス等利用などが予定されており、世界に向けて水素利用を発信する。そのための10MW級水素製造事業場も今月完成する。今月9日〜11日まで開催された国際会議の「グリーンイノベーション・ウイーク」(TCFDサミット、ICEF会合、RD200。先週号既報)においても、水素エネルギー実装化等に関する国際連携の必要性とともに、多くの期待と課題が内外から指摘された。

低コストで量産化の国際連携指向が強まる
 まず、わが国における水素関連政策の最近の流れを簡単に以下に集約してみた。

 ▽2019年3月12日…水素・燃料電池戦略ロードマップ策定(基盤技術のスペック・コスト内訳目標を設定し、目標達成に向けた必要な取組を規定)
 ▽6月3〜7日…世界水素技術会議2019@東京国際フォーラム 15〜16日…G20エネ環大臣会合@軽井沢17〜21日…水素・燃料電池プロジェクト評価・課題共有ウィーク(産官学の延べ1000人超参加) 25日…水素燃料電池戦略ロードマップ評価WG
 ▽9月…水素・燃料電池技術開発戦略策定(重点的に取り組む技術開発3分野10項目を特定) 25日…水素閣僚会議@東京+カーボンリサイクル産官学国際会議・LNG産消会議
 ▽10月8〜11日…TCFDサミット、ICEF、RD20の開催(先週号で既報)

 上記の動きで目立つのが9〜10月にかけて行われたわが国主催国際会議での水素エネルギーR&D関連の発信と国際連携指向の方針だ。9月25日開催された水素閣僚会議2019(35の国・地域・機関の代表と民間企業トップらが参加)の議長声明では、各国の水素・燃料電池に関する行動指針として「グローバル・アクション・アジェンダ」(議長声明)を採択。世界目標の共有として、今後三つの“Ten”の実現(今後10年間で水素ステーション10,000ヵ所(10thousand)、燃料電池システム1000万台(10millon)の設置に合意した。また、水素の大量生産・大量消費に向けた取組ではサプライチェーンの確立、技術開発、規制緩和などへの対応の重要性も共有された。
 今月開催されたグリーンイノベーションの会議では、水素の技術開発や目標の実現可能性に関する提言等が内外の有識者や研究者などから多く出された。特に水素製造コストの引き下げに関する指摘が多く、水の電気分解には大量の安い再エネ電気が不可欠となるため、バイオマスや廃棄物などから水素を得る方法の提案もあった。また、水素の運搬と貯蔵(短期と長期)に大きな技術革新が必要なことの指摘も依然多く出された。  資エ庁新エネルギーシステム課の牟田徹課長補佐によると、水素エネの技術開発・商用化に関する日本と欧・米の分担研究が自ずと整理されつつあるという。米国は車載用燃料電池の高効率化と先進的な水素貯蔵材料の開発に注力、2018年度は1.7億ドルの技術開発予算を組んだ。欧州は再エネの中長期大容量貯蔵技術などを主力として同じく1.3億ユーロの予算を充当した。対して日本は、世界に先行する車載用と定置型燃料電池技術を生かした機器の効率化、水素製造と国際サプライチェーンの実用化に重点を置き、20年度は水素関連計約800億円を予算要求している。








(以下については本誌No.2550をご参照ください)


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