週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2544.2019.9.12




 第1レポート 次の記事

…東北9市町村との協定具体化第一弾。ブロックチェーン活用してRE100を実現


横浜‐横浜の再エネ連携開始、6企業・事業所に供給


 横浜市と東北地方の12市町村による再生可能エネルギーを軸とした連携協定が、本格的に動き出した。青森県横浜町にある風力発電でつくられた電力が、横浜市内の6企業・事業所で受けられることになった。脱炭素化の動きを加速させたい横浜市。一方、12市町村は地域活性化の進展に期待を寄せる。互いに足りない地域資源を補い「共生圏」を築くことはできるか。

■青森横浜町で受給開始式、利益の一部を寄付
 「横浜町の再生可能エネルギーを使ってもらえる。本当にありがたい。これが徐々に広がっていけば、またまたうれしい」。横浜町の野坂充町長は、5日に町役場で行われた受給開始式のあいさつでこう述べた。町長就任前は町観光協会の会長として県内外でPR活動の先頭に立った経験から「下北半島全体がエネルギー基地であり食糧基地でもある。大都会に売り込んでいきたい」と、式に参列した横浜市の担当者に協力を呼びかけた。
 式には両市町のほか、発電事業者の「よこはま風力発電」(本社・茨城県日立市)、小売事業者の「みんな電力」(本社・東京都世田谷区)、受電する企業・事業所の約25人が出席した。式後、横浜市内に送る電力をつくっている「横浜町雲雀平風力発電所」を視察した。受電企業の一つ、大川印刷の大川哲郎社長は目の前にそびえ立つ110メートル超の風車を見上げ、「自分たちの仕事で使っている電気に対して具体的なイメージを持てる」と実感を込めた。
 人口5000人弱の横浜町は、マサカリのような形をした下北半島の柄に当たる部分に位置する。西側は陸奥湾に面しており、東側の山を隔てると、原子力発電所など核燃料サイクル施設が立地する東通村、六ヵ所村がある。横浜町に限らず青森県内は風況に恵まれており、風力開発が盛んだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がまとめた風力発電導入実績(2018年3月末時点)で、県内の総設備容量は10年連続で全国一となった。県エネルギー開発振興課によると、設置253基のうち、横浜町には22基あり、県内で4番目に多い。町企画財政課の担当者は「21年4月に出力3600kWの風力発電が12基稼働する予定となっている」と説明した。
 風力発電の建設には農山漁村再生可能エネルギー法を活用して県所有の林地、牧地を転用。18年2月に運転を開始した。14基の総発電出力は3万2200kWで、一般家庭1万5000世帯分に相当する。出力変動を緩和するため、大容量蓄電池を設置している。同法の趣旨で売電による利益の一部は町に寄付され、地元JAに農業機械の導入費として補助された。




(以下については本誌2544を参照ください)



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…20年度復興庁予算要求、14.9%増の1.7兆円。「新復興庁」フレーム年末にも提示…

中間貯蔵関連2.7倍増、五輪意識のインフラ整備急ピッチ



 2011年の東日本大震災をめぐる「復興・創生期間」の最終年度となる2020年度の復興庁予算概算要求の総額は、前年度当初予算比14.9%増の1兆6981億円となった。そのうち「原子力災害からの復興・再生」関連は6,486→9,075億円の約1.4倍増の大幅増額要求で、その中身をフォローした。

施設整備の清算と輸送費確保で膨らむ
 渡辺博道復興相は同日、来年度概算要求について「地震・津波被災地域(宮城・岩手県等)は復興の総仕上げ、原子力災害被災地域(福島県等)は本格的な復興・再生に向け全力で取り組む」と語った。うち原子力災害関連の主な要求額は次の通り。

  [20年度概算要求(19年度当初予算)、単位:億円]  (1)中間貯蔵施設整備5,612(2,081) (2)放射性物質汚染廃棄物処理1,046(1,054) (3)除去土壌等の適正管理等540(1,187) (4)特定復興再生拠点整備事業708(869)(5)福島再生加速化交付金793(890) (6)福島生活環境整備・帰還再生加速事業97(111) (7)福島イノベーション・コースト構想基盤整備10(9) (8)地域復興実用化開発等促進事業57(57) 【税制】復興特区税制と福島特措法税制の延長等


   (1)の中間貯蔵施設整備費は用地取得、施設整備、汚染土壌の輸送・処理、減容化・再生利用に関する技術開発など。要求額は2.7倍増の5,612億円と大きく跳ね上がったが、その理由について環境省は「来年度が施設整備費の清算時期と重なって大きく膨らんだ。また汚染土輸送量が今年度から大幅に拡大(400万立方メートル)、来年度はその仕上げに当たるため、輸送費等が膨らんだ」と説明する。中間貯蔵施設内では、汚染土壌の受入・分別施設と保管施設、貯蔵施設などの整備が概ね順調に進んでいる。
 20年3月にはほぼ全施設で運用が開始され、21年度以降の施設整備費は縮小される見通しだ。県外最終処分の選定等詳細設計に向け同省が取り組んでいる汚染土壌等の減容化と再生利用は、実証事業から事業化への移行が当面の課題となる。

■福島県外汚染土壌対策、依然進展みられず
 上記(2)の汚染廃棄物処理と(3)の除去土壌管理は、いずれも福島県内と県外への対応が必要となる。県内はいずれも減容化施設や保管・処理施設の整備・確保と施設搬入・処理などに進展が見られる。しかし県外は処理が進んでいない。汚染廃棄物は現在、福島県外では10都県に約2.8万tが上下水道施設などに保管されている。特に保管量の多い宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県は長期管理施設の整備を計画したが、候補地の猛反発を受け、塩漬け状態となっている。除去土壌も、17年度末の面的除染完了後、未だに仮置き場や現場保管により、7県の2.9万ヵ所に33万立方メートルが塩漬けされたまま。20年度に向けては、これら福島県外の処理問題でも政府の対応が問われそうだ。
 上記(4)は、福島復興再生特別措置法の改正により新設された「特定復興再生拠点区域認定制度」における解体・除染と道路・団地・水道施設等インフラ整備を一体的に行う。これまでに双葉・大熊・浪江・富岡・飯館・葛尾の6町村の計画が認定され、2022〜23年の避難指示解除をめざし解体・除染等工事が進行中だ。特に常磐線の駅周辺は、19年度中の路線開通と併せて今年度中の先行解除をめざし急ピッチで作業が進められている。
 同地域へのインフラ整備は上記(5)の福島再生加速化交付金が充てられる。一方で福島県は、拠点区域外の避難指示解除に関する具体方針の提示を国に求めており、その行方も注目される。







(以下については本誌No.2544をご参照ください)


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