週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2547.2019.10.3




 第1レポート 次の記事

…大阪で「スマートグリッドEXPO」開催。分散型システム構築が主役


卒FIT目前で再生エネ・VPP・EVビジネス花盛り


 第6回の関西スマートグリッドEXPOが9月25日から3日間、大阪市のインテックス大阪で開催された。会場では電力会社や大手電機メーカー幹部らの基調講演のほか、全国から多くの出展が出され、商談にも花が咲いていた。
 特に目立ったのが、電力システム改革の仕上げを意識した需給調整市場への対応や仮想発電所(VPP)事業化、電気自動車(EV)の機能とエネルギー供給における新たな役割への期待だ。また住宅用太陽光発電の卒FIT電源がこの11月から登場するのに向けたビジネス、千葉県の台風15号で受けた停電などを通したレジリエンス対応に関心が高かった。

ソフトバンク、再エネビジネスへの野心高く
 9月25日の基調講演で、ソフトバンクグループの再生エネ事業責任者である三輪茂基SBエナジー社長は、国連の気候サミットから帰ってきたばかりとしつつ、現地の雰囲気を次のように語った。「欧州では再生エネ事業をしなければ人に非ずという風潮が顕著で、ありとあらゆる政治家と実業家が再生エネの導入拡大を主張している。各国ではデータセンターが倍々ゲームで増えており、これに要する電気代の負担とセキュリティの確保が重要課題となっているが、間違いなく再生エネ時代というターニングポイントは過ぎた」として、わが国の取り組みの遅れに警鐘を鳴らした。
 SBエナジーなどが手掛ける国内の再生エネ発電は、太陽光発電(PV)と風力中心に46サイト・約690MWあるが、昨年の北海道電力エリアで起きた道内ブラックアウトでは約200MWあるPVが役に立たなかったとして、今後は所有する全てのPVに種火装置をつける自立分散型発電所を目指す考えを明らかにした。
 一方でソフトバンクグループは、モンゴルで平均風速12mの風を利した巨大ウインドパーク建設事業やインドでの風力事業、また直流送電を軸としたアジアスーパーグリッド(ASG)構想など、世界的規模の再生エネ連携事業を推進中だ。平均水深150mの海底ケーブルでつなぐ技術はすでに確立しているとして、あとはコストの問題とする。

 また孫正義会長は再生エネと蓄電池の組み合わせに関心を示し、現在世界に200種類あるEV(蓄電池)の型式を2〜3種類に標準化する必要性を指摘、様ざまな働きかけをしているという。




(以下については本誌2547を参照ください)



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…FIT電源の発電側基本料金の調整措置と入札制の拡大を検討…

20年度向けFIT算定委、抜本見直し前提の調達価格設定



 FITの買取価格などを議論する調達価格等算定委員会は、20年度以降の買取価格についての議論を開始した。経済産業省資源エネルギー庁は21年度から、FITを抜本的に見直した新たな再生可能エネルギー支援制度の施行を目指している。 算定委は、再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会が中心になって進めているFIT抜本見直しの検討状況を踏まえて、現行制度下での来年度以降の対応策を議論する。

■現行制度で可能な限り反映へ
 資エ庁は9月24日、調達価格等算定委員会(委員長;山内弘隆・一橋大院特任教授)の会合を開いた。事務当局は、国内外の再生エネの現状と今年度に算定委で議論する論点を示した。まずFITの抜本見直しとの整合性について、現行制度でも導入できることを可能な限り反映することで委員側は合意した。ただ、陸上・洋上風力など新制度の適用があり得る再生エネ電源については、再生エネ発電事業者の予見可能性に十分留意しながら、現行制度における取り扱いを慎重に検討することとした。
 バイオマスと地熱、中小水力は従来、複数年度の買取価格を設定していたが、FIT抜本見直しと整合させるために複数年度の価格設定は行わず、方向性の議論にとどめることとなった。なかでも、地熱と中小水力は複雑だ。FIT抜本見直しの基本方針では、地熱発電は大規模地熱と小規模地熱に分け、中小水力は中規模と小規模水力に分けることとした。基本方針では、大規模と中規模を大規模の太陽光発電(PV)や陸上・洋上風力と同様に、自立できる電源として抜本見直し後は固定価格買取から除外される見通しだ。
 一方、小規模地熱と小規模水力は地域で活用される電源として、固定価格買取制度は維持される方向となっている。算定委では今後、再生エネ主力電源化小委と連携し、大規模、小規模地熱と中規模、小規模水力の区分設定や、地域活用電源として定着させるどのような制度を設計することが適切かを検討する。

■発電側基本料金の具体的な調整措置検討へ
 今年度の算定委で検討する大きな議題の一つが、FIT電源の発電側基本料金の具体的な調整措置についてだ。発電側基本料金とは、送配電系統網を利用することで得られる受益の一部を発電設備設置者からも課金する新制度。発電側基本料金の導入は、18年7月に閣議決定されており、20年度以降なるべく速やかに導入されることとなっている。
 電力・ガス取引監視等委員会は9月13日の制度設計専門会合(座長;稲垣隆一弁護士)で、発電側基本料金の導入時期について、一般送配電事業者のシステム開発や発電・小売間の既存相対契約の見直しなどにかかる期間を考慮した場合に3年程度かかることから、23年度導入の目指す方針を示した。FIT電源は売電価格が固定されており、再生エネ発電事業者は発電側基本料金による追加負担を転嫁できないことから、調整措置を検討する。  焦点となるのが、稼働済み・認定済みのFIT電源の取り扱いだ。これらの電源も発電側基本料金の対象となる。見通しとしては、12年のFIT開始から3年間の利潤配慮をした高めの買取価格となっているFIT電源は調整措置を講じないで、15年度以降の利潤配慮をされていない買取価格のFIT電源は調整措置を講じるようだ。具体的な調整措置の要件や調整の程度については今後詰めていく。








(以下については本誌No.2547をご参照ください)


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