政府は6月24日に経済財政諮問会議と日本成長戦略の合同会議、25日にも経済財政諮問会議を開き、我が国の経済成長を牽引する産業等戦略17分野(下記)における「主要な製品・技術等」の「官民投資ロードマップ案」とそれを実現するための新たな予算編成改革案などを示した。これら案は今月に予定する高市政権の経済財政の運営方針(骨太の方針)に反映され、正式決定する。
戦略17分野の中にはエネルギー・資源関連として「資源・エネルギー安全保障・GX」「フュージョンエネルギー」などが対象となり、主要な製品・技術等毎に官民投資額が想定された。ただ、環境分野については主要な製品等を生産しないためか、対象にはされていない。
ペロブスカイト・洋上風力等に計28兆円投資
資源・エネルギー安全保障等分野は、主要な製品・技術等としてまだ商用化に至らないペロブスカイト太陽電池や浮体式を含む洋上風力など7製品が成長事業の推進力になるとして、2040年までに計28.8兆円の官民投資が期待されるとした。ペロブスカイトの普及は経済とエネルギー安全保障の両面からの自律性確保が重要として、官公需を中心に導入を図る。水素等については、普及に向けた重点地域での社会実装や価格差支援による供給網構築を通じて、需要創出と価格低減を実現し普及を図る考えだ。
また高市政権が積極推進する原子力については、「次世代革新炉」(投資額5兆円)が人材育成と事業環境と投資環境の整備等を指摘しつつ、戦略分野に選定された。ただ、原発の新規拡大では現在の軽水炉標準化(炉系と規模の統一化)や建設費の高騰と投資資金確保、推進体制の再検討など多くの課題が残ったままであり、掛け声だけでは進まない側面がある。
一方で、資源・エネルギー等分野ではないが、「造船」(同1.1兆円)の中に急遽「LNG運搬船」(同今後精査)が加わった。我が国は世界トップクラスのLNG輸入国でありながら、最近5年は新規の運搬船製造がなく韓国等に奪われ、製造技術も人材も薄くなってきている。しかしLNG新規調達の必要性は高まっており、運搬船製造まで含めたプロジェクトを具体化すべしとの指摘もある。例えば日米関税交渉で米側と合意したアラスカLNG開発で、JOGMECがアラスカ州の持つガス権益分の上流〜下流までの行程に積極関与して、低廉なLNG輸入を実現すべしというものだ。
(以下については本誌2878をご参照ください)
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