「(会社の)解体的再構築を図る」「経営層の一人一人がコンプライアンスと安全を何よりも優先し、明確に意識と行動を変えていく」と10月1日付けで社長に就任した安井稔社長が強調。浜岡原子力発電所(1・2号機廃炉作業中。3〜5号計361.7万kW)の再稼働審査でデータ改ざんなどの不祥事を起こした中部電力の新社長が16日、東京千代田区の経団連会館にある電気事業連合会会議室の記者会見でこう述べた。
解体的出直し体制づくり、地元はまだ理解不能
既報のように、中部電力は浜岡原発3・4号の再稼働を2014年に原子力規制委員会に申請したが、最も重要な基準地震動の計算・想定でデータ改ざんが内部通報により発覚。今年9月に再稼働申請を取り下げ、その責任をとって勝野哲会長と林欣吾社長らが退陣、新社長が会社立て直しの陣頭指揮を執ってきた。不祥事の原因究明とその背景などを調査した外部の第三者委員会による提言を踏まえ、同社は浜岡原発の「新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案に関する再発防止策の方向性」を9月14日に発表。反省と決意として、�@社会・地域からの視点よりも社内論理を優先した「独自の正当化理論」、�A不適切情報を共有できない組織の機能不全、�B意識・行動の変革、組織風土の変革、ガバナンス・牽制機能の変革・強化――などを新たな出発点として提示した。
16日の社長会見では、�@〜�Bの取組状況を説明、解体的再構築に向けた土台作りとして、この10月1日から社長直下の「組織風土改革推進部」を設置するとともに、11月以降に外部人財による専任部長の配置、「原子力ガバナンス推進部」の設置によるコンプライアンス・リスク対応や資材等の調達委託先の調査等を行う方針を示した。また、会社の執行部門を通さない監査等委員会への内部通報窓口の設置も明示した。一方で、基幹人事制度を改定するとともに、特別役付職に対するマネジメント行動の評価結果を役職の昇降格・昇降給に反映させる取り組みも進めている。
ただこうした取組はまだ緒についたばかりであり、変革のための体制・組織作りを先行させ、達成目標の定量化や時間軸などは示されていない。会見の場で記者からは対策の時間軸に関する質問が出ていたが、「こうした状況でありスケジュール感は現在持っていない」と応じていた。一方で、浜岡原発の地元自治体からは、中部電力の不祥事説明に対して、「なぜこのような事態になったのかきちっと理解できない」との指摘が上がっており、相互理解に漕ぎつけるまでには相当な時間がかかりそうだ。
(以下については本誌��2893をご参照ください)
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