週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2864.3.19




第1レポート次の記事

…経済産業省と2029年まで最終組立工場、39年製造工場稼働の協力覚書を締結

ベスタスのナセル工場建設合意も、洋上風力推進不透明



 世界的な風車メーカーのベスタスは3月9日、経済産業省と「風力発電設備の国内製造の推進に向けた協力覚書(MOC)」を締結した(写真)。2029年度までに日本国内でナセルの最終組立を実現するために協力していく。さらに2039年度までに、ナセル完全組立実施を可能とするロードマップ策定で合意した。
 洋上風力の拡大に向け、国内での大型風車製造実現への道を拓く重要な合意となったが、その実現には多くの不確定要素を抱えているようだ。

国内初の大型ナセル工場実現に期待高まる
 両者の合意内容は「一定の前提条件のもとに、29年度までにベスタス社が日本国内でナセル最終組立拠点を設立する」というもの(下記)。
 
 「日本における洋上風力市場の拡大を前提として、ベスタス社は、一定の前提条件のもとに、2029年度までにベスタス社が日本国内でナセル最終組立拠点を設立する。経済産業省はこの取組に対して最大限の支援を行う。ベスタスは、日本の洋上風力市場の継続的な拡大、ベスタスによる十分な受注の確保、そして将来の入札に関する明瞭で長期的な見通しの確保という条件のもと、2039年度までに日本国内でナセルの完全組立を実施するロードマップを策定する」

洋上風力発電では21年5月に、東芝とGEベルノバが東芝の京浜地区におけるナセル工場建設で戦略的提携契約を交わしているが、その後着工はされないまま、GEベルノバが事実上洋上風力から撤退。同社が風車を供給する予定だった経産省による公募第1ラウンド(R1)の3海域の落札事業者が撤退したことが重なり、現状では実現の見通しが全く立っていない。
またこのR1落札企業による辞退を受けて、経産省は公募指針の見直しを進め、漸く改正案がまとまった状況にある。しかし、従来からの課題である国内での大型風車製造能力の確保は依然として停滞したままだ。現状では全ての風車を海外、それも欧州から輸入せざるを得ない状況であり、輸送コストの負担やトラブル発生時の対応遅れなど、多くの懸念が払拭されない状態が続いている。

(以下については本誌2864をご参照ください)



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…農林分野はメタン削減技術を展開。産業界、排出量取引でクレジット活用

民間主導のJCM事業拡大へ・GX−ETSが後押し


 環境省と地球環境センターおよび海外環境協力センターは3月11日、2025年度JCM(二国間クレジット)シンポジウムを開き、今後の対応方針を示した。経済産業省と農林水産省も共催、民間企業も含め、それぞれの取り組みなどが報告された。シンポでは2026年度からGX推進法に基づく排出量取引制度(GX−ETS)制度が本格施行されることもあり、企業等が主体的に推進する「民間JCM」が関心を集め、今後のJCMの発展形につながる可能性を示した。

GX−ETSで拡大条件整う、民間主導事業増
 改正温暖化対策推進法の4月1日施行により、25年度のJCM制度の事務手続きなどが大きく変わった。一つは、JCMの制度運営やパートナー国との調整等事務を、政府に代わって国の指定機関「JCM実施機構」(JCMA、地球環境センター内に設立)が担うことになったこと。これによって、煩雑な各種手続きがワンストップ化され、効率化と迅速化が可能になった。
 二つは、パリ協定6条に定める二国間事業の詳細ルールが24年11月のCOP29で決定されたことを受け、同規定に基づいたITMOs(パリ協定に沿ったクレジット)が25年11月にタイ、12月にはモルティブをパートナー国として相次いで合意、クレジットが発行された。そして三つ目が民間JCMへの関心が高まり、すでに複数の民間企業が具体化に取り組んでいる。
 「民間JCM」とは、民間企業が設備導入等を民間資金のみで実施するJCMプロジェクトのことを指す。従来の環境省等が設費補助等を行うJCMプロジェクトで得たクレジットは原則国のNDC(国別CO2等削減目標)に活用されることになるが、民間JCMの場合は当該事業で得たクレジットを、自社のCO2等削減目標や市場取引に活用できるのが最大の特徴だ。環境省と経産省、外務省は23年3月に「民間資金を中心とするプロジェクトガイダンス」を策定したが、当時はクレジットを得ても取引市場等がなかったことから、実質的に機能しなかった。




(以下については本誌2864をご参照ください)


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