週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

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No.2869.4.23




第1レポート次の記事

…地熱3方式ロードマップ策定。インフラ施設に太陽電池導入実証・海外展開も重視

GI基金、次世代の地熱1102億・太陽電池250億増



 経済産業省は4月15日に開いた産業構造審議会グリーン電力普及促進分野ワーキンググループで、グリーンイノベーション(GI)基金の新規事業として次世代地熱の技術開発事業に取り組む計画が了承された。総事業費は1102億円と設定、6月以降に公募開始を予定する。
 また次世代太陽電池の開発関連として、新規プロジェクトを追加する計画改定案も了承された。250億円を増額、公共施設やインフラ空間を活用する実証事業に着手する。近く公募を開始する。
次世代地熱開発、30年まで1102億配分
 次世代地熱については、経産省に設けられた官民協議会が昨年10月に「超臨界地熱」「クローズドループ」「EGS(地熱増産システム)」(下記)の3方式に関するロードマップを策定した。その開発ポテンシャルについては、従来型の23.5GWに対し、これら次世代技術は77GW以上を見込めると指摘。2030年代早期の実用化を目指す国内実証を行いつつ、併せて海外展開による世界市場の獲得を図るため、GI基金による「次世代地熱技術開発に関する研究開発・社会実装計画案」が15日のワーキンググループで承認された。

  ▽超臨界地熱…マグマ上部の高温高圧の流体(超臨界熱水)から蒸気を生産し発電。1ヵ所で10万kW以上の開発が可能 ▽クローズドループ…亀裂のない高温の地熱層に坑井掘削し、流体を循環させ発電。自然由来の熱水を使用せずに開発が可能 ▽EGS(地熱増産システム)…地熱層貯留層を人工造成し、水を圧入・蒸気を生産し発電。自然由来の熱水を使用せずに開発が可能

 当面、30年度までを第1フェーズとして国内先行導入を進める。第2フェーズでは30年代早期の運転を開始、30年代後半から第3フェーズとして、抜本的な導入量拡大を見込む計画だ。
この第1フェーズにおいてGI基金を活用。30年を計画期限として、超臨界地熱技術に191億円(事業費総額250億)、クローズドループ技術に805億円(1050億)、地熱増産システム(EGS)技術に76億円(100億)、共通基盤技術の開発に30億円(30億)の配分を予定する。それぞれ適地調査や事業可能性調査、概念設計などを進め、超臨界地熱は試験井の掘削と地下流体の確認等を行い、今後の開発促進につなげていく。またクローズドループとEGSは、試験井の掘削と熱回収試験を行い熱回収システムの確立を目指す。
 なお、クローズドループ技術の事業費総額が突出しているが、複数の実施方式が存在することや採択事業者3者程度想定しているため配分が大きくなったという。

(以下については本誌2869をご参照ください)



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…新電力の販売シェアは2割超まで拡大、電事法改正で供給量確保の義務強化に逆風

小売全面自由化10年、イラン情勢直撃で新電力試練


 2016年4月に開始された電力小売全面自由化から今年で10年経過した。東日本大震災での東京電力福島第一原子力発電所事故と大規模停電を教訓に、需要家の選択肢を広げ電力会社の競争による料金水準の引き下げなどを促した。
 自由化後に参入する新電力は2026年3月末で約800社も存在。ロシアのウクライナ侵攻が及ぼした日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格高騰による新電力の退出など、当初の想定外の事態も起きている。直近ではイラン情勢の影響を受け新電力はさらなる苦境に直面している。

新電力大手で高圧以上新規受付停止相次ぐ
 イランと米国によるホルムズ海峡封鎖が長引く中、国内では3月中頃から新電力による新規需要家の獲得を停止する動きが広がっている。石油元売り国内最大手ENEOSグルーブの新電力会社ENEOS Powerは、企業向けの特別高圧・高圧需要家の新規受け付けを停止した。再開は未定という。この理由について、「中東情勢の悪化を受けて、エネルギー価格指標が高騰しており、安定価格での電力調達が難しくなったので一時的に新規需要家の受け付けを停止する」と説明。同社は43.2万kWの川崎LNG火力や78万kW五井LNG火力など、計220万kWの自前の電源を所有、供給実績は1万件を超していた。
 火力のLNG燃料は中東依存度が低く分散調達が進んでいるが、長期契約の大半が原油価格連動のため、今回の原油価格高騰がLNG調達価格の高騰にも連動、2〜3ヵ月後の電力料金大幅引き上げという事態を招く。ENEOS Powerと同様に、新電力最大手の東京ガスも企業向け特別高圧・高圧需要家の新規受け付けを停止している。同社も122万kWの扇島LNG火力など、調達電源の約6割をLNG火力が占めている。

JEPX足元スポット価格急騰で様変わり
 新電力はそもそも発電事業よりも電力小売りを本業としており、大半の新電力は電力調達をJEPXに一定割合で依存している。市況が安定している時期は、大型電源を所有・運営する大手電力よりも市場原理が働き比較的安い卸価格での電力調達と販売が可能だ。しかし、中東情勢の悪化によってJEPXの足元のスポット価格が急騰。4月15日に約定したシステムプライス(全国平均価格)は19.82円/kWhまで上昇、2月の月間平均価格の2倍近くに高騰している(図1)。
 再生可能エネルギー発電事業大手のイーレックス子会社エバーグリーン・マーケティングは、電力先物を使って単価を固定する企業向け販売の新規受け付けを停止した。既存顧客の更新は受け付けているという。




(以下については本誌2869をご参照ください)


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