週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2487.2018.7.12




 第1レポート 次の記事

…環境省懇談会が提言まとめへ、全国380万社の中小企業にESG浸透推進…


ESG拡大、遅れている銀行等の間接金融にテコ入れ


 
 企業の環境、社会、企業統治の取り組みを投融資基準として評価するESG金融が国内外で活性化している。しかし、地方銀行や地域信用金庫などの地方金融機関のESG金融の動きは鈍い。そこで環境省は金融業界関係者や有識者で構成する懇談会を開き、地方においてもESG金融が広がるよう様々な取り組みを進める。

■直接金融と間接金融の充実を議論
 環境省は6月29日にESG金融懇談会の7回目の会合を開いた。この懇談会は今年1月に初会合を開き、銀行、証券、信用金庫など金融市場の主要関係者が一堂に会し、それぞれが果たす役割について認識を深めるとともに、自由闊達な議論をしてきた。今月中には提言をまとめて、今後の環境省における環境金融施策に反映される。
 懇談会事務局である環境省環境経済課の芝川正・環境金融推進室長は、「会合の1〜3回目は直接金融をさらに活発化させる方策について議論した」と語る。直接金融とは、企業の発行する株式や債券を購入することで、機関投資家や個人投資家が企業の資金調達に直接的に参加する方式のこと。一方、間接金融は「お金を借りる人」と「お金を貸す人」の間に、第三者が存在する取引のことで、 企業が銀行融資で資金調達する取引などを指す。「懇談会で直接金融市場について、投資家と企業間の対話をさらに充実させていくことなどを通じ、投資先企業における環境行動を一層促すための方向性を話し合った」(芝川室長)。

■日本型金融排除の仕組みも是正が先決
 市民が預けたお金が資金となる銀行や信用金庫などが企業へ融資する間接金融市場などの取引で、経営としてESG金融に取り組んでいる銀行はまだ一部にとどまっている。懇談会では4〜6回の会合で、直接金融に比べると遅れている間接金融の活性策について検討した。
 地域金融機関が収益を確保し持続可能なビジネスモデルを確立するには、取引先企業の事業性評価に基づく融資や、本業支援によって企業のキャッシュフローが改善していくことが前提になる。地域金融機関の取引先のほとんどは中小企業だ。懇談会では、地方の間接金融におけるESG金融の遅れは、日本型金融排除の仕組みが一因と指摘された。日本型金融排除は、高い信用力の企業に優先的に貸し出しを行い、事業の高い将来性があっても信用力の低い企業には融資しないという金融機関の貸し出し態度のこと(図)。すでに金融庁は16年に出した金融行政方針で柔軟な対応を指摘したが、ESGを含めた「事業性評価」に基づく地方金融機関による融資の活性化はまだまだこれからだ。





(以下については本誌2487を参照ください)



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…環境省が方針まとめる。パネル処理法制化は経産省と調整、アセス対象は年内に結論…

PV再資源化へ法制化、メガはアセス法適用検討


 環境省は3日、太陽光発電設備(PV)のリユース・リサイクル・適正処理と、設置に際する環境配慮への対処方針をまとめた。リサイクルと適正処理では、再資源化法での対応を検討、経産省と調整を進める。設置規制では、大規模太陽光発電(メガソーラー)の建設計画を環境影響評価法の対象とするよう、8月にも検討を開始する。

■ピーク時は年間50万t超のモジュール排出
 こうした方針は、武部新・環境政務官をヘッドとする「太陽光発電のリサイクル・適正処分等に関する検討チーム」が3日、当面の考え方をまとめた。同検討会は今年5月に検討チームを発足。太陽光発電協会をはじめ、発電事業者のSBエナジーと自然電力、メンテナンス事業者のCOO、再資源化事業者のアールツーソリューションとPVテクノサイクル、産廃処理会社の大栄環境、静岡県などからヒアリングを実施。PVの現状と今後の見通し、今後の課題・対応策を内容とする報告書を集約した(下記)。

 ◇PVの現状と見通し…2012年の「再生可能エネルギー固定価格買取法」(FIT法)の施行を契機として、導入量が急増、17年9月末時点で累計約42GWが導入。これら設置事業の中には、大規模な森林伐採を伴うものがあり、土砂流出や濁水の発生、生態系・景観の破壊などの影響が懸念され、メガソーラー建設計画への反対運動も起きている。自治体は条例等で対応しているが必ずしも問題解決につながらず、苦慮。一方で、年間約4,400tの太陽電池モジュールが使用済みとなって排出され、うち約3,400tがリユース、約1,000tがリサイクルまたは処分された。
 今後の見通しについては、30年には導入量が64GWまで拡大。30年代後半のピーク時には、年間約50〜80万tのモジュールが排出され、その後も年間約30〜40万tが定常的に排出されると予測した。こうした現状と課題、見通しを踏まえ、検討チームは(1)適正なリユースの推進、(2)リサイクル・適正処分、(3)導入に際しての環境配慮――の必要性を指摘、当面の対処方針を示した。

■資源循環の制度化、プラ戦略との関連も
 (1)では、適正なリユースの推進のため「リユースに関する判断基準」の整備を示した。これに関連する制度として、廃棄物の越境移動を規制するバーゼル法に対応した判断基準等がすでにあり、これを参考に今後、策定する考えだ。またリユース促進のためには、物流・診断の低コスト化が必要と指摘し、引き続き検討を進める。
 (2)のリサイクル・適正処分に関しては、▽処理の滞留のおそれがある現状を踏まえ、排出量が大幅に増加する将来も見通して安定的に処理できる体制を整えることが必要、▽製造業者などからの有害物質含有情報の提供による適正・円滑な処理の確保が必要、▽市場任せとせず、安定的に太陽電池モジュールのリサイクルがなされる体制整備が必要――として、これらを実現する制度の早期導入が必要との認識を示した。制度化できない場合には、年間230〜370億円分(ピーク時)の銀等有用資源が未回収となり、最終処分場量では2025年に処分量全体の4〜7%をPVが占めるとの推計値を示し、早期制度化の必要を強調した。

(以下については本誌No.2487をご参照ください)


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