週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2880.7.16




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…石油への回帰か、欧州市場へのリソース配分、国内市場の不透明感

外資系の洋上風力撤退、事業性向上対応策が急務に



 英国石油大手bpが山形県遊佐沖の洋上風力発電事業からの撤退を検討していることが報道された。欧州の洋上風力大手が日本市場からの撤退を決めるのは、2025年末のコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)、今年6月のエクイノールに続く3件目となる。
 日本の洋上風力は、昨年8月に公募第1ラウンド(R1)の3海域から三菱商事が撤退を表明して以来、入札制度の見直しが行われ、今年1月には新制度の概要が明らかとなっていた。しかし肝心の上限・下限価格の設定に時間がかかり、R1再公募及びR4公募が大幅に遅れている。
 一方でイラン情勢や円安などによるプロジェクトコストの上昇は、日本の洋上風力の事業性に大きな影を落としている。欧州企業による日本市場撤退の意味合いを追ってみた。

市場性懸念CIP、石油回帰のエクイノール
 25年12月にいち早く撤退を決めたCIPは、三菱重工業の合同会社「北海道洋上風力開発」を解散。最大出力1,500MWの「北海道檜山沖洋上風力発電事業」など、環境影響評価中の3案件の事業を別会社に移管した。
 三菱商事が撤退を表明する前の昨年6月、CIPは洋上風力の公募制度を議論する経産省と国交省の合同委員会(第32回)へ説明資料を提出した。それによると、日本の洋上風力市場への評価が極めて低かった。特に公募制度については、他国の市場に比べて魅力度は低いとしたうえで、事業実施リスクも高いと評価していた。同社は世界で14GW超の再エネを運営し、120GWの開発案件を持つが、日本から徹底する理由はそうした認識を強く反映したと言えよう。
 一方、今年6月に日本市場からの撤退を表明したノルウェーのエクイノールは、これまで日本の洋上風力で落札した案件がなく、その点では我が国洋上風力市場への影響は小さい。同社は韓国の洋上風力撤退も表明しており、アジア市場における洋上風力プロジェクトから引き上げる意向だ。これを裏付けるかのように同社は、今回の撤退について蓄電池やLNG火力などを組み合わせた「総合電力市場」へと傾注する戦略の見直しの一環と説明している。
 また同社は近年、脱炭素に向けた投資を積極的に展開してきたが、コストの高騰などから27年までの再エネおよび低炭素分野への投資計画を大幅に修正。石油・ガスの収益最大化を最優先する戦略へと大きく転換してきた。今回の撤退もその大きな戦略展開の一つと捉えられる。

(以下については本誌2880をご参照ください)



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…ペロブスカイト導入拡大、小規模PV自己確認制度、蓄電池一体化など合理化へ

規制改革答申、次世代太陽電池と再生材利用など緩和


 政府は6月29日、首相官邸で規制改革推進会議を開き、「規制改革推進に関する答申」をまとめた(表示に写真)。エネルギー・環境関連では「GX・サステナビリティ」として、▽次世代型太陽電池の普及促進、▽太陽光発電設備の使用前自己確認見直し――などの規制緩和を具体化する。

次世代太陽電池導入へ関連規定見直し
 2026年度の規制改革推進計画は、高市首相が最優先に掲げている「強い経済の実現」「地方を伸ばし、くらしを守る」を柱に、55の規制改革項目を掲げた。うちエネルギー・環境関連では、@次世代型太陽電池の普及促進、A太陽光発電(PV)使用前自己確認の見直し、B蓄電池の導入促進に向けた消防法令における取り扱い明確化、C家電製品の再生材活用・リサイクルの促進、Dクマのワナ見回りルールの見直し(鳥獣対策)――などを示した。
 @は、ペロブスカイト太陽電池(PSC)など軽量・柔軟などの特徴を有する次世代型太陽電池の普及促進に向け、従来の太陽電池では困難な壁面・窓面等への設置を進めるため、消防法や工場立地法など関連法令等の適用を再検討する。
 消防法関連では、ガソリンスタンド・自動車工場など危険物を取り扱う施設等に対するPSC設置への対応を見直す。現行法では太陽電池をカバーガラスで挟み込む必要があり、PSC特有の軽量・柔軟等の特性を損なってしまう。このため、消防庁に対し、軽量・柔軟等の特徴を損なわない安全対策を整理した上、危険物ガイドライン等で対処方法を明確化するよう求めた。
 また経済産業省に対しては、工場立地法に基づく環境施設面積等の算定方法に関し、現行の運用規定ではPSCの壁面設置等が適切に評価される方法になっていないため、導入促進につながるよう関連規定を見直すように求めた。
 一方で建材一体型太陽電池の導入に対しては、耐風圧や積雪荷重からの安全確保のための強度の算出方法が、建材としての建築基準法、電気工作物としての電気事業法のいずれに基づくのかなどが不明確と指摘。国土交通省と経産省に対して、適用法令を整理した上で、通知・省令等により明確化するよう求めた。各省庁ともに26年度中の措置を目指す。






(以下については本誌2880をご参照ください)


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