週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2890.10.01




第1レポート次の記事

…DRに活用可能な分散型電源設備導入とIoT化支援に101億円計上

2027年度のエネルギー政策、DRと省エネを大幅強化へ



 経済産業省資源エネルギー庁は、国際的なエネルギー情勢の不安定化を見込み省エネ推進やデマンドレスポンス(DR、電力の需要調整)関連事業を大幅に強化する方針を打ち出した。2027年度概算要求では、26年度当初予算比約27倍を計上している個別事業がある。

分散型エネリソース導入支援要求額27倍に
27年度概算要求のDR関連事業の中で際立つのは、「再生可能エネルギー導入拡大に向けた分散型エネルギーリソース導入支援等事業」で、26年度当初予算3.7億円の約27倍となる101億を要求した。再生エネのさらなる導入拡大を進めるため、DRに活用可能な定置用蓄電システムなどの分散型電源設備導入や既設機器・設備のIoT化を支援する。また第2世代スマートメーター(SM)の通信機能を活用して、電力需給状況に応じた分散型エネルギー設備を制御する実証事業も支援、SMから取得できる電力データの利活用費用も補助する。
 さらに、定置用蓄電システムのさらなる導入拡大に向けた課題や国内外の動向、他の貯蔵システムの実態把握、分散型エネ設備の調整力としての機能などに関する調査・分析事業を民間企業に委託する。
 我が国は猛暑やデータセンター普及などによる電力需要の増加と火力発電の休廃止増により、夏冬の高需要期を中心に今後は電力需給が厳しくなる可能性が高い。一方では、再生エネの導入拡大に伴い、春秋の低需要期には出力制御が増加する傾向だ。DRは需要家の電力料金削減やBCP(災害時での事業継続計画)対策といった需要側の便益向上のみならず、需給逼迫時における電力システムの安定運用にも貢献する。電力広域的運営推進機関の試算によれば、2040年度の最大DR導入量は1500万kW相当に及ぶ。

電化と低炭素燃料転換に伴う機器更新を支援
 他方、省エネ関連予算要求では「省エネ非化石転換の投資促進・社会実装支援事業」(2108億円)がある。予定する事業は工場・事業場全体での大幅な省エネを推進する取組や、電化の推進とともに低炭素燃料転換を伴う機器への更新を支援する(図)。企業への補助率は1/5〜2/3と幅広い。


(以下については本誌��2890をご参照ください)



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…地域住民は試掘許可取り消しを求める。炭素クレジット市場との統合検討も

CCS一辺倒に課題、森林再生との統合政策が必要(上)


 CCS実証計画に住民側抗議、森林保全統合も
 民放のテレビ番組で、千葉県内房地域の工業地帯から排出されるCO2を分離し、地下パイプラインで半島を横断して外房・九十九里浜沖合の地下深部に送り込み貯留するCCS(CO2の回収・廃棄)実証計画が紹介されていた(2026年5月17日放映の「噂の東京マガジン」)。
 番組では、地元住民がCO2漏洩や噴出事故の可能性を懸念している様子が取り上げられていた。特に、20年に米国ミシシッピ州で発生したDenbury社のCO2パイプライン破断事故では、豪雨による地滑りが原因で大量のCO2が漏出して約200人が避難、45人が病院搬送された事例があり、こうした海外事故が不安を増幅させている。
 さらに、NHKの「持論公論」(8月3日放映)でも同じ事例が取り上げられ、環境NGOと周辺住民が経産省に対し、試掘許可取り消しを求めたのが紹介された。ウミガメの産卵地を含む生態系への影響、景観の変化、漁業や観光など地元産業への悪影響が示されていた。
 一方で、CCUS(CO2の回収・貯留・利用)によるCO2の有価値利用は、地域の脱炭素化と産業振興を両立させる現実的な選択肢として注目されている。特に、工場排ガス由来CO2を原料に次世代航空燃料(SAF)=「国際航空のためのカーボンオフセット及び削減フォーム」ICAO(国際民間航空機関)が、16年に採択したSAFを製造する技術は既に実用化が進み、国際航空分野のネットゼロ達成に向けた主要手段として期待されている。ただ、化石燃料由来のCO2を利用する「eSAF」は国際制度上の扱いが難しく、制度的制約を踏まえた価値設計が不可欠だ。「国際航空のためのカーボンオフセット及び削減フォーム」 (CORSIA)では、航空燃料のライフサイクル排出量が化石燃料基準比で10%以上削減されればSAFとして認定されるため、化石燃料排ガス由来CO2を用いた「eSAF」にも一定の可能性が残されている。一方、EUの再生可能エネルギー指令(REDIII)では、28年以降70%以上のCO2等削減が義務付けられ、加えて、SAFの炭素源としては化石燃料排ガスのCO2を認めていない。このため、工場排ガス由来eSAFは、EU規則によればSAFとしてカウントされず、削減義務の対象外となる。こうした制度の違いが、化石燃料起源CO2の扱いに大きな影響を与えている。





(以下については本誌��2890をご参照ください)


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