中東情勢の激変による化石燃料の供給不安と高騰から、唯一国産エネルギーの再生可能エネルギーが再び脚光を浴びている。一方で、再エネを十分に活用するには現在の出力制御を減らす取り組みが不可欠となる。経済産業省は再エネ電力を一層活用するため、省エネも促進する対応としてデマンドレスポンス(DR=電力の需要調整)拡大に向け施策を強化する。
経済DRが需給緩和寄与、日本全体で効果把握
経産省は4月15日、分散型エネルギー推進戦略WG(座長;林泰弘早大院教授)の会合を開いた。同WGは蓄電池やDRなどの分散型エネルギー設備を活用するための事業環境整備や、再エネの自家消費と地産地消促進を検討する。次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会の下に25年12月に設置された。
日本は今後、猛暑やデータセンター普及などによる電力需要増加と火力発電等休廃止の増加により、夏冬の高需要期を中心に電力需給が厳しくなる見通しだ。一方、再エネ導入拡大に伴い、春秋の低需要期には出力制御が拡大する傾向となっている。こうしたエネ需給見通しの中、DRは需要家の電力料金抑制やBCP(災害時の事業継続計画)対策といった需要側の便益向上のみならず、需給逼迫への対応などによる電力システムの安定運用にも寄与する手法となっている。
電力広域的運営推進機関の試算によれば2040年度における最大DR導入量は計1500万kWにもなるという。事務局は3回目となる同日の会合で、DR実績を詳細に把握する施策を強化する方針を示した。経産省がDR関連データを正確に把握しておくことで、電力供給が逼迫する時間帯などの一般送配電事業者による需給運用に役立てる。具体的な施策は今後の会合で詰めていくことになるが、「経済DR」の実績を把握する対応に注力していくという。経済DRは電力需給逼迫時や卸電力市場価格高騰時などに、小売電気事業者からの要請に応じて家庭や企業などの需要家が自ら電力使用量を減らす対応。需要家はその対価として小売事業者からポイントサービスや料金割引を得る仕組みだ。単なる節電対応とは異なり、経済的なメリットが得られることに最大の特徴がある。
(以下については本誌2870をご参照ください)
|