週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2852.12.18




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…駒井ハルテック、NEDO等に加え自民党議連も強く後押し

本格化するか官民取組、洋上風力風車の国産大型開発



 洋上風力発電を本格導入していくうえで、避けて通れないのが風車の国産化。かつては三菱重工業や日本製鋼所、日立製作所といった国内企業が、最大2MW級の風車を製造していた。しかしこれまでにいずれも撤退しており、大型の風車製造は国内では途絶えてしまったが、ここに来て風力事業者の求める大型風車の国産化に向けた動きが徐々に活発になってきた。

国産風車終了から巻き返し、27年に商用化へ
 日本における風車製造は、かつて最大2MW級を日立製作所や三菱重工業が手掛けていたが、国際的な大型化競争と国内市場の立ち上がりの遅れによって、2019年までに相次ぎ開発・製造から撤退した。現在は、東芝が京浜事業所でGEベルノバ製の洋上風車向けナセル製造計画を残しているが、当のGEベルノバは洋上風力の新規受注を停止しており、実現のメドが立っていない。
 2026年1月に長崎県五島市沖での運転開始が予定されている戸田建設等による浮体式洋上風力発電事業は、日立製最後の風車となる。これをもって日本企業による大型風車製造が事実上終了する。戸田建設はこの五島市沖事業を計画する際に、5MW級風車の採用を検討したようだが、日立が開発を中止したため、2MW風車を導入せざるを得なかったという。  洋上風力事業は現在、入札制度の見直しが行われており、26年から再び入札案件が動き出すと見られているが、それら事業で採用できる国産風車はなく、輸入に頼らざるを得ない。加えて、欧州メーカーの風車は価格が軒並み高騰している。ただ中国製風車の価格は欧州メーカーの1/4程度と言われており、事業性の確保では圧倒的に有利だが、太陽光パネルの中国依存への反発もあり、日本の事業者は導入しづらいという状況がある。
 一方で、風力発電の安定稼働のためには、メーカーによるサポートが不可欠なことから、できるだけ近くに拠点が欲しいのも事業者の本音であり、国産風車メーカー復活への期待は大きい。
 そうした中で積極的な姿勢を見せているのが、駒井ハルテックだ。同社は出力300kWの中型風車「KWT300」(写真1)を既に商用化しており、台風時には風車を風下に向けて風を逃がすシステムを採用するなど、台風や乱気流に強い耐台風仕様、そして寒冷地仕様などを用意、国内だけでなくフィリピンやロシア・カムチャッカ州への納入実績がある。


(以下については本誌2852をご参照ください)



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…26年国会に電事法改正等提出へ、小売電気事業者の供給力確保強化は継続議論

次期電力改革で、再エネ・原発・系統増強に公的融資


 経済産業省は12月10日、次期電力システム改革に向けた制度設計案を取りまとめた。再生可能エネルギーや原発などの脱炭素電源、データセンター(DC)向け送電系統網増強の投資に公的融資が可能となる措置を具体化する。
 一方、小売電気事業者に対する中長期の供給力確保強化案については、継続議論とした。電気事業法など次期システム改革に関連する法律の改正案は、来年早々の通常国会へ提出する見通しだ。

広域機関を軸に原発・系統融資スキーム構築へ
 経産省は同日、電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG(座長;山内弘隆・武蔵野大特任教授)の会合を開き、事務局取りまとめ案を示した。大規模再エネや原発の電源投資、DC向けなどの送電系統網増強の投資に対して、公的融資ができる新たなスキーム構築を進める(下図)。
 脱炭素電源の確保という政策要請もあって原発の再稼働や新設に向けた動きが活発化している。原発は投資期間が十数年と長く、新規の投資費用も数兆円に及ぶと見られている。しかし、電力自由化の影響で大手電力は、民間融資や社債発行だけでは大型投資の資金調達が困難になりつつある。
 そのため、経産省の電力広域的運営推進機関が民間金融機関と協調し、総融資額の最大3割程度を融資する。その財源の一つとして財政投融資を活用する方針だ。財務省が同5日に開いた財政投融資分科会では、経産省は26年度分として540億円を要求した。内訳は電源関連が240億、系統が300億円。民間と協調して事業者への資金供給を増やし、供給力確保の強化や系統整備を加速する方針だ。まず大規模電源を融資対象にする考えで、50万kW以上を目安に検討する。系統増強については、「認定整備等計画」を策定した連系線を対象にする。地内系統も上位2電圧などの基幹系統を対象にする予定だ。




(以下については本誌2852をご参照ください)


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