週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2878.7.2




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…高市首相は新たな成長戦略実現に並々ならぬ決意示す。

官民投資を17分野に集中、三つの産業クラスターで推進



 政府は6月24日に経済財政諮問会議と日本成長戦略の合同会議、25日にも経済財政諮問会議を開き、我が国の経済成長を牽引する産業等戦略17分野(下記)における「主要な製品・技術等」の「官民投資ロードマップ案」とそれを実現するための新たな予算編成改革案などを示した。これら案は今月に予定する高市政権の経済財政の運営方針(骨太の方針)に反映され、正式決定する。   戦略17分野の中にはエネルギー・資源関連として「資源・エネルギー安全保障・GX」「フュージョンエネルギー」などが対象となり、主要な製品・技術等毎に官民投資額が想定された。ただ、環境分野については主要な製品等を生産しないためか、対象にはされていない。

ペロブスカイト・洋上風力等に計28兆円投資
 資源・エネルギー安全保障等分野は、主要な製品・技術等としてまだ商用化に至らないペロブスカイト太陽電池や浮体式を含む洋上風力など7製品が成長事業の推進力になるとして、2040年までに計28.8兆円の官民投資が期待されるとした。ペロブスカイトの普及は経済とエネルギー安全保障の両面からの自律性確保が重要として、官公需を中心に導入を図る。水素等については、普及に向けた重点地域での社会実装や価格差支援による供給網構築を通じて、需要創出と価格低減を実現し普及を図る考えだ。
 また高市政権が積極推進する原子力については、「次世代革新炉」(投資額5兆円)が人材育成と事業環境と投資環境の整備等を指摘しつつ、戦略分野に選定された。ただ、原発の新規拡大では現在の軽水炉標準化(炉系と規模の統一化)や建設費の高騰と投資資金確保、推進体制の再検討など多くの課題が残ったままであり、掛け声だけでは進まない側面がある。
 一方で、資源・エネルギー等分野ではないが、「造船」(同1.1兆円)の中に急遽「LNG運搬船」(同今後精査)が加わった。我が国は世界トップクラスのLNG輸入国でありながら、最近5年は新規の運搬船製造がなく韓国等に奪われ、製造技術も人材も薄くなってきている。しかしLNG新規調達の必要性は高まっており、運搬船製造まで含めたプロジェクトを具体化すべしとの指摘もある。例えば日米関税交渉で米側と合意したアラスカLNG開発で、JOGMECがアラスカ州の持つガス権益分の上流〜下流までの行程に積極関与して、低廉なLNG輸入を実現すべしというものだ。

(以下については本誌2878をご参照ください)



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…需給調整市場の上限価格引き下げ、JC-STAR認証の取得が補助要件に

導入拡大必至の蓄電所、収益性低下と中国排除の方針


 再エネ導入拡大にはもはや欠かせない存在となった蓄電池。国内で系統に接続済みの蓄電所容量は840MWに達しており、契約申込みを済ませた蓄電所総容量は35GWを超える規模に成長した。今後も変動性再エネのディスパッチ電源として、さらなる導入拡大が期待されている。
 一方で、系統への接続申請の急増による審査長期化や需給調整市場の相次ぐ上限価格引き下げに伴う収益性の低下、さらにリチウムイオン電池の主な供給源である中国製排除方針など、蓄電所事業は複数のリスクに直面している。

全世界で導入拡大続く、日本はまだ増大余地  再エネ供給最大化のためには本来、まず送電網の広域化で天候による変動性を緩やかにした上で、蓄電所で出力変動をディスパッチするほか、慣性力を提供することで安定した系統運用を可能にする姿が望ましいと考えられている。しかし、広域化に必要な投資が莫大で遅々として進まないことから、出力変動対応の主役が広域化から、低コストで導入できる蓄電池が担う形になってきた。
 蓄電所の導入拡大は世界全体の傾向で、「かつて蓄電池を無視していた欧州の系統事業者も、コスト低下に伴って現在は積極的に導入へと姿勢を変えてきた」(高橋 洋法政大学教授)。またIRENA(国際再生可能エネルギー機関)によれば、世界の定置用蓄電池の年間導入量は2024年には169GWに達しており、事業費用もGWhあたり2010年の2571ドルから192ドルにまで低下している(次頁図)。
 またIEA(国際エネルギー機関)の予測では今後蓄電池は50年までに世界全体で2676GWにまで成長すると予測しており、太陽光、風力に次ぐ第3の電源となると見られている。ただ、24年の年間導入量169GW(IRENA)のうち半分が中国と極めて大きなシェアを占める。対して日本の導入量840MWという数字は、英国の6385MW、オーストラリアの2563MWと比べて小さく、まだ大きな導入余地があることを示している。





(以下については本誌2878をご参照ください)


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