週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2435…2017.6.22




 第1レポート 次の記事

…日本企業も続々新しい環境目標設定、対策技術を競争力強化の一環に…

リコー、富士通が50年目標。排出ゼロ目標広がるか


 
 リコーと富士通が2050年に二酸化炭素(CO)排出ゼロを目指す環境目標を相次いで策定した。リコーは電気全量を再生可能エネルギー由来に切り替える。富士通は最新の省エネ技術の導入と再生エネの活用でゼロ化する。欧米企業に比べると排出ゼロのような大胆な目標は少なかったが、2016年11月のパリ協定発効を受けて日本企業にも排出ゼロ目標が広がってきた。

■リコー、パリ協定受け30年にCOを30%減
 リコーが公表した新しい50年目標はまず、省エネ活動や最新設備の導入で工場やオフィスのエネルギー消費を極限まで減らす。削減しきれなかった電気は再生エネ由来に切り替え、ガスや重油などの利用で発生するCOはクレジットを活用してオフセットし、排出を実質ゼロ化する。
 もともと同社は50年までの「長期環境ビジョン」(06年公表)、「中長期環境負荷削減目標」(09年公表)を運用していた。いずれも科学的知見に基づく「先進国は50年に環境負荷を1/8にする必要がある」という認識のもと、50年までにCOを00年比87.5%削減する目標を設定。さらに50年からバックキャスティング(逆算)した途中の20年の目標を30%減としていた。
 今回「パリ協定」の発効を受け、より踏み込んだ目標へと見直した。IPCCが示した気温上昇を2℃未満に抑えるシナリオに従い、30年までにCO排出量を15年比で30%減らし、50年に排出をゼロとする。化石資源に頼らない「脱炭素」社会への移行も見通し、使用する電気に占める再生エネ比率を30年に30%、50年に100%へと高める。

■RE100に日本企業初の加盟、外部監視も
 リコーは新しい環境目標を公表すると同時に、事業で使う電力の再生エネ100%化を目指す企業連合「RE100」に日本企業として初めて加盟。RE100は14年の結成後、参加者を増やし、現在はグーグル、マイクロソフト、アップルなど欧米企業を中心に90社が加盟するまでに拡大。パリ協定合意の気運をつくるなど影響力を強めているが、アジアからの参加は中国とインドの5社にとどまっていた。
 環境NGOのWWFとCDPなどが主導する「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」にも参画する。SBTは2℃未満達成のため、科学と整合した削減目標の策定を企業に求める。世界約280社以上が賛同し、これまでに40社の目標を「科学的知見に基づく」と承認した。日本ではソニー、コニカミノルタ、キリンホールディングスなど6社が認証されている。リコーは国際的な組織・活動に参画し、環境目標が「独りよがり」ではなく、社会からの要請と合致していることを示す。目標の進捗が外部から監視されることになるが、それでも社会からの信頼を得て、国際的に知名度を高めることもできるメリットを選んだ。




(以下については本誌2435参照ください)



 第2レポート  次の記事 前の記事

…廃棄物の撤去・処理終了後も地下水浄化対策、特措法18事業中12件が継続中…

香川豊島、青森・岩手県境産廃不法投棄対策まだ続く


 国内最大級の産業廃棄物不法投棄事件となった香川県・豊島から運び出された産廃処理が先週12日、隣町の直島でようやく終了した。2003年から大量の産廃を焼却・溶融処理してきた三菱マテリアル直島製錬所での溶融炉が同日止まった。ただ、これで事業が完了したわけでなく、処理施設の撤去、地下水調査・浄化対策、整地などが22年度末まで続く。青森・岩手県境不法投棄対策も同様で、原状回復まで多くの課題を残す。

■歴史的な豊島不法投棄に40年・720億費やす
 豊島の産廃不法投棄事件は1978年、豊島住民の反対を押し切り、香川県が産廃処理業者「豊島開発」に産廃処理を許可したことが発端となった。その後も、豊島住民が粘り強く運動を続け、兵庫県警が同社を摘発、国の公害等調整委員会では調停が成立、香川県知事が謝罪した(経緯は下記)。
 
 ◇豊島産廃不法投棄事件の経緯…香川県の許可後まもなく豊島開発は違法な処理を開始。住民の訴えに香川県が動かない中、兵庫県警が90年に廃棄物処理法違反容疑で同社への強制捜査を開始、香川県も追随して調査を開始し、同年香川県は同社の許可を取り消し、撤去の措置命令を出した。その翌年兵庫県警は経営者を逮捕。島民はさらに原状回復を求め運動を展開、93年に国の公害等調整委員会に調停を申請、2000年に(1)豊島開発が住民に解決金を支払う、(2)香川県が住民に謝罪し廃棄物を撤去・処理する――を骨子とした調停が2000年に合意された。当時の真鍋武紀知事(元環境省水質保全局長)は「長期にわたり不安と苦痛を与えたことに心からおわびする」と住民に謝罪、産廃を豊島からすべて搬出すると約束した。

 この事件を契機に全国で産廃の不法投棄事件が明るみになり、その対策に乗り出した環境省が2002年に「産廃特措法」(下記)を制定。豊島が同法の適用対象第1号となった。豊島の廃棄物処理には三菱マテリアルが協力、隣町の直島にあった同社精錬施設に搬入され焼却・溶融処理を続けてきた。調停の撤去期限の昨年末まで約40年かけて搬出を終了、処理も今月終えた。最終的な産廃処理量については、香川県が17年1月に90万t(90年当初は56万tと推計)としていたが、最終的には約91万tとなった。その処理事業費は累積で720億円を超えたという。
 
 ◇特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)の内容について…03年に12年度までの時限立法として制定。産廃を投棄・排出する事業者の責任を追究するとともに、不法投棄された産廃の撤去・処理など原状回復を促す法律。12年に10年間の期限延長が決定された。同法は特定支障除去事業として環境相の同意した都道府県が行う対策事業費に対して国が補助(産業廃棄物不法投棄等原状回復措置推進費補助金)および地方債の起債特例などの財政支援を行う。対象となる特定産廃事業は、97年の廃棄物処理法改正前に不法投棄が行われたもの。同改正法の施行以降に行われた産廃不法投棄は、同改正法で規定された産業界と国からの出えんによる原状回復基金により、都道府県等が行う原状回復事業への支援が行なわれる。  

(以下については本誌No.2435をご参照ください)


ジャンル別週間情報
前の記事

東電柏崎刈羽原発の安全審査申請書を改めて提出(原子力一般)

原発等廃止措置実施方針の策定・公表を規定へ(原子力一般)
関電高浜4号再稼働、料金引下げ表明(原子力一般)
原子力規制庁、検査体制強化で規制部を再編(組織体制)

グリーン連合、国会議員に市民版環境白書説明(地球温暖化対策)









戻る
【TOP】 【今月のキーワード】 【エネ環ダイジェスト】
【書籍紹介】 【最新号見出速報】 【今週の注目記事】 【記事データベース】
【こぼれ話】 【省エネ・新エネ】 【出版物案内】 【本誌紹介】 【会社概要】 【リンク集】
ML> m">【リンク集】 ML> ML>