トヨタ自動車がこのほど、電気自動車(EV)の次期モデル開発の中止を表明した。今年3月には、ホンダも北米で生産を予定していたEV3車種の開発・発売の中止などを決定している。そうした動きに対して、一部には全世界でEV販売が低迷したことに沿った戦略見直しに過ぎないとの見方もある。
一方で、IEAが5月20日に発表した「世界の電気自動車市場展望2026」では、26年の世界EV販売は25年比で20%増加するという見通しを示している。開発中断は、市場拡大するEV市場の中での一時的な措置としても、世界市場における日本車メーカーの地位低下が必至となり、開発再開後の販売推進も難しくなる可能性が大きい。
米国市場停滞とSDVに出遅れた日本
トヨタ自動車は、高級車ブランド「レクサス」のセダン型EV「LF―ZC」(写真)の量産開発を中止したことが5月28日の報道で判明した。当初は26年中の生産開始を目標としていたが、24年末に一度スケジュールを見直し27年半ばへの延期が発表されていた。 「LF―ZC」は、一般的なEVの航続距離約500kmに対して約1000kmを掲げ、全固体電池の搭載も予定されていたが、北米や欧州でのEV市場拡大ペースが鈍化する中、ハイブリッド車(HEV)を含む複数の電動化技術を並行して進める「マルチパスウェイ戦略」に基づき開発中止を決めたという。
今年3月にはホンダも北米で生産を予定していた「AFEELA 1」や「0(ゼロ)シリーズ」(写真)などEV3車種の開発・発売の中止を決めており、それに続く経営判断となる。
ホンダは「小型モビリティでは長期的視点から見てEVが最適解」として、エンジン車とハイブリッド車に加えEV化を進めてきたが、米トランプ政権による関税政策の変更の影響を受けたほか、EV開発に社内リソースをシフトさせたことで、アジアでの四輪事業の収益低下などが、開発戦略の見直しにつながったとする。
(以下については本誌2874をご参照ください)
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