週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2641.9.9




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…温暖化対策計画案、パリ協定に基づく長期戦略案等を決定。ただし先行き不透明


菅首相退陣下で温暖化対策抜本強化、国連に提出?


 政府は9月3日、地球温暖化対策推進本部(本部長:菅義偉首相)を開き、2030年を対策目標とした「地球温暖化対策計画案」、国連事務局に提出する「日本のNDC案(CO2の削減目標等)」――などを政府決定した。これらと一対となっている第6次エネルギー基本計画(エネ基)案とともに、同日から約1ヵ月の国民意見公募を開始、10月中にも閣議決定を予定する。ただ、これら気候変動対策の抜本的強化を主導してきた菅首相の退陣表明が3日にあり、最終決定は流動的な面もある。

官邸の温対本部でNDC含む全体計画を決定
 菅首相をトップとし全閣僚で構成する地球温暖化対策推進本部会合で決定した事項は以下の通り。

 (1)地球温暖化対策計画案 (2)日本のNDC(国が決定する貢献)案 (3)パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略案 (4)政府の事務・事業に関し温室効果ガスの排出削減等のために実行すべき措置について定める計画案(政府実行計画) (5)地球温暖化対策推進本部幹事会の開催などの一部改正

 温対計画の改定は2016年以来の見直しとなる。旧計画と比べて長期的なCO2等削減目標及びそれを達成するための各種対策・施策が抜本的に強化される。抜本強化は菅首相による2050年CN宣言、それに向けた野心的な中間目標の30年46・50%削減目標(各2013年排出量比)とした国際約束を踏まえたもので、経済産業省のエネルギー基本計画改定もそれを裏付ける施策となる。ただ、高みの目標とした50%削減については施策等の積み上げはされていない。
 (1)の温対計画の改定案は既報(2638、2637等)のように、環境省と経産省の合同会議で了承(8月4日開催)された内容がほぼそのまま反映された。新たな2030年の削減目標とともに、エネルギー起源の30年CO2排出目標として産業・業務その他・家庭・運輸・エネルギー転換、の各部門別に割り振られた。また、非エネ起源のCO2やフロン類の排出目標、国内吸収源と2国間クレジット制度(JCM)による削減目標も明記した。
 (2)のNDCは、10月末のCOP26(国連気候変動枠組み条約)までにわが国が提出する削減目標とそれを裏付ける対策等を示したもので、(1)の温対計画の重要部分に加え(3)の50年CNに向けた基本的考え方とビジョンを明記した。すでに政府はこれに向けた対応として、今年6月に中長期の温暖化対策を経済成長戦略に取り込む経済計画を閣議決定しており、それをNDC案にも反映させた。
 (4)は、温対法に基づく政府の率先実行として事務・事業に係るCO2削減を実践する「政府実行計画」を改定、30年度までに13年度比50%の排出削減、30年度には設置可能な建築物の約50%に太陽光発電(PV)設置を目指すなどを規定した。


(以下については本誌2641を参照ください)



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…特定復興拠点区域外の対処方針で「20年代中の帰還目指す」、県内の再エネ導入40%達成…

22年度復興庁要求7%減の5774億円・汚染水対策強化へ


 復興庁の2022年度予算概算要求の総額は、7.1%減の5774億円となった。そのうち福島県内を主な対象とした要求額は、原子力災害からの復興再生支援事業4428億円、産業・生業の再生事業364億円で、全体の83%を占める。来年度施策の新たな柱として、ALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出関連経費を各省が要求した。また帰還困難区域内の特定復興再生拠点区域外の調査事業と国際教育研究施設整備推進事業、処理水の海洋放出に伴う需要減対策経費が事項要求となった。

「20年代中帰還」の対処方針に遅すぎの声も
 原子力災害からの復興・再生関連は21年度予算の56%の大幅減に続き、22年度も放射性廃棄物処理費用等の圧縮により△7%の減額要求となった。うち中間貯蔵施設整備費は1981億円で+5.8%の増額。内訳は施設整備と管理運営・汚染土壌輸送が+14%の1840億。用地取得等25億、減容化・再生利用等技術開発に113億円を要求した。
 放射性物質汚染廃棄物処理事業は△22%の601億円の減額要求。現在、福島県内に約35万t、県外は9都県に約2.7万tを保管中だ。県内は焼却処理と特定施設への保管が進んでいるが、県外は依然塩漬けのまま。保管量の多い宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県は長期管理施設の整備検討を進めてきたが、地元調整が進まぬまま依然として分散保管の状態が続く。除去土壌対策費は271億円で7%の増額要求。ただし処理が進むのは福島県内のみで県外保管分(7県53市町村に33万m3)は塩漬けされたままだ。このまま放射能濃度の自然減衰に委ねてしまうのか、抜本見直しが求められそうだ。
 帰還困難区域内に国が指定した特定復興拠点区域の整備事業が30%減の444億円。認定6町村のうち双葉・大熊・葛尾の3町村は22年春、浪江・富岡・飯館の3町村は23年春の指示解除を予定する。今後はこの復興拠点区域解除後の対応が大きな政策課題となる。政府は先月末に原子力災害対策本部会議を開き、「2020年代をかけて帰還意向がある住民が帰還できるよう、その意向把握を丁寧に実施し、避難指示解除の取り組みを進める」との方針を決めた。 その調査事業費は事項要求として今後検討する。各市町村は同方針の早期提示を数年前から求めていた。意向調査から始め除染・解体、インフラ等が整備されて帰還できるまで相当時間を要するが、「20年代中帰還」という対処方針に、地元からは「遅すぎる」との声が出ている。また今回方針では帰還困難区域の全域解除に触れていないことから、内堀雅雄県知事や関係町村長らは全面解除の約束を守るよう、改めて国に要請する。




(以下については本誌No.2641をご参照ください)


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原子力規制委22年度概算要求は24%増695億円(原子力一般)

電力購入契約方針、46%削減へ大幅強化検討開始(電力・ガス)

電ガ監視等委、新委員長に横山東大院教授(電力・ガス)

2兆円基金で水素還元製鉄や燃料アンモニアなど(グリーンイノベ)

経済省、ロシアと水素・アンモニア・CCUS協力(海外協力)




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