英国石油大手bpが山形県遊佐沖の洋上風力発電事業からの撤退を検討していることが報道された。欧州の洋上風力大手が日本市場からの撤退を決めるのは、2025年末のコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)、今年6月のエクイノールに続く3件目となる。
日本の洋上風力は、昨年8月に公募第1ラウンド(R1)の3海域から三菱商事が撤退を表明して以来、入札制度の見直しが行われ、今年1月には新制度の概要が明らかとなっていた。しかし肝心の上限・下限価格の設定に時間がかかり、R1再公募及びR4公募が大幅に遅れている。
一方でイラン情勢や円安などによるプロジェクトコストの上昇は、日本の洋上風力の事業性に大きな影を落としている。欧州企業による日本市場撤退の意味合いを追ってみた。
市場性懸念CIP、石油回帰のエクイノール
25年12月にいち早く撤退を決めたCIPは、三菱重工業の合同会社「北海道洋上風力開発」を解散。最大出力1,500MWの「北海道檜山沖洋上風力発電事業」など、環境影響評価中の3案件の事業を別会社に移管した。
三菱商事が撤退を表明する前の昨年6月、CIPは洋上風力の公募制度を議論する経産省と国交省の合同委員会(第32回)へ説明資料を提出した。それによると、日本の洋上風力市場への評価が極めて低かった。特に公募制度については、他国の市場に比べて魅力度は低いとしたうえで、事業実施リスクも高いと評価していた。同社は世界で14GW超の再エネを運営し、120GWの開発案件を持つが、日本から徹底する理由はそうした認識を強く反映したと言えよう。
一方、今年6月に日本市場からの撤退を表明したノルウェーのエクイノールは、これまで日本の洋上風力で落札した案件がなく、その点では我が国洋上風力市場への影響は小さい。同社は韓国の洋上風力撤退も表明しており、アジア市場における洋上風力プロジェクトから引き上げる意向だ。これを裏付けるかのように同社は、今回の撤退について蓄電池やLNG火力などを組み合わせた「総合電力市場」へと傾注する戦略の見直しの一環と説明している。
また同社は近年、脱炭素に向けた投資を積極的に展開してきたが、コストの高騰などから27年までの再エネおよび低炭素分野への投資計画を大幅に修正。石油・ガスの収益最大化を最優先する戦略へと大きく転換してきた。今回の撤退もその大きな戦略展開の一つと捉えられる。
(以下については本誌2880をご参照ください)
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