週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

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No.2622.4.15




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…政府の関係閣僚会議が風評影響対策など示す。当初は少量の放出から開始


福島第一原発の処理水、海洋放出方針決定・2年後実施へ


 政府は4月13日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業の一環として「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚会議」(議長;加藤勝信官房長官)を開き、敷地のタンクに保管されている処理済み水を海洋放出する基本方針を決めた。今後約2年かけて放出するための手続きと設備整備、環境モニタリング体制などを進め、東電が実施する。ただ漁業関係者などには依然として放出反対の考えが強く、放出までには紆余曲折がありそうだ。

保有リスクを解消へ・30年以上かけて放出
 現在、福島第一原発(1F)では汚染水の放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)等で処理された汚染水が敷地に設置した約1000基のタンクに保管されている。汚染水の新規発生量は当初から大きく減少したものの20年実績では約140立方メートル/日発生、タンクの増設(1週間に1〜2基)が続き、敷地の過半を占める状況から今後の本格的な廃炉作業の大きな足かせと指摘されている。さらにタンクの長期保管はそれ自体が風評の一因となっているほか、老朽化や災害による漏洩リスク、2月の福島県沖地震(震度6強)でみられたタンクの位置ずれなど、倒壊や大規模漏洩などに繋がりかねないリスクがあるという。
 このため経産省は昨年後半からタンクに保管するALPS処理水の海洋放出方針を固め、地元関係者に説明会などを延べ数百回実施したほか、風評被害を危惧する漁業関係者や流通・小売関係者(29団体)などとの意見交換を進めてきた。特に原発事故から10年経ち、ようやくかつての生業を取り戻しつつある漁業関係者には菅義偉首相が岸宏全国漁業組合連合会長とも会談、放出反対の主張は翻意できなかったものの、菅首相は「いつまでも決定を先延ばしできない」として13日の関係閣僚会議において政府方針の決定に踏み切った。  ただ処理水の海洋放出は新たに発生する汚染水を踏まえつつ1000基超のタンク水を希釈して放流する必要があり、放流規模にもよるが30年以上の長きにわたる。この間、国際的な理解も含めた万全の信頼体制の構築が不可欠だ。

◇福島第一原発の汚染水対策の現況について
 〇地下水・雨水等が建屋内等に溜まる放射性物質に触れることや燃料デブリを冷却した後の水が建屋に滞留して発生する汚染水について、浄化処理(多核種除去設備等)を行って敷地内のタンクに貯蔵している 〇すでにタンクは1000基を超え敷地内の大きなスペースを占めている状況…タンク貯蔵量は約125万t、タンク容量は約127万t、処理水増加量は年間約5〜6万t
〇汚染水発生量は対策開始前(2014年5月)の日量540立方メートルが20年実績では140立方メートルに減少



(以下については本誌2622を参照ください)



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…都は環境審議会で具体施策検討へ、大阪府は温対計画次第で目標値等計画見直しも

主要自治体、CO230年目標で40〜50%削減を列挙


 「ゼロカーボンシティ宣言」を行った東京都や京都府、大阪府、長野県が今春、相次いで新しい戦略や地球温暖化対策実行計画改定を公表した。いずれも最終目標として「2050年CO2排出実質ゼロ」を掲げ、30年削減目標に40〜50%を据えた。
 対策の柱には、再生可能エネルギーや電動車の拡大と住宅・建築物の省エネ対策強化を位置付けた。加えて公共施設のRE100化(再生エネ100%)や適応策の強化などに力を入れていく方針だ。

■都はCO2排出量30年に50%削減目標を設定
 東京都は3月30日、「ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Report」を公表した。2019年12月に策定した「ゼロエミ東京戦略」の目標や施策の一部を、50年カーボンニュートラル宣言を踏まえてバージョンアップした。小池百合子知事は今回の見直しに際して、これからの10年がきわめて重要と指摘し、CO2排出量など主要な30年目標を50%削減に引き上げた(下記)。さらに「カーボンハーフスタイル」と名付け、その目標達成に向けた取り組み強化を図る。

 ○都内温室効果ガス排出量(2000年比)30%削減⇒50%削減 ○都内エネルギー消費量(同)38%削減⇒50%削減 ○再生可能エネによる電力利用割合30%程度⇒50%程度 ▽都内乗用車新車販売⇒100%非ガソリン化(ハイブリッド車含む、30年まで) ○都内二輪車新車販売⇒100%非ガソリン化(35年まで)

 これら目標と併せて再生エネ、水素、ビル・住宅、モビリティ、資源循環等の取り組みを強化する。また「気候変動適応計画」「食品ロス削減推進計画」「ゼロエミ都庁行動計画」も今回新たに策定した。特に事業体としての都庁行動計画では、24年度を期限とした目標値を新たに設定した(下記)。

 ○温室効果ガス排出量(2000年度比)40%削減 ○エネ消費量(00年度比) 30%削減 ▽再エネ電力利用割合50%程度 ○太陽光発電累計設置量12,000kW

 さらに、都は今回の戦略改定を踏まえて、環境審議会を開いて温暖化施策の強化に向けた検討に着手する方針を明らかにした。

■京都府・大阪府・長野県は40%〜42%削減
 京都府は3月22日に「地球温暖化対策実行計画」、大阪府は同29日に「地球温暖化対策推進計画」を策定。長野県は4月1日に「ゼロカーボン戦略案」をまとめ、意見募集を開始した。いずれも温暖化対策推進法の実行計画(区域施策編)として策定、CO2排出量30年削減目標は大阪40%、京都40%以上、長野42%と設定した。その他含め主な30年度目標値は下記の通り。




(以下については本誌No.2622をご参照ください)


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