経済産業省の村瀬佳史・資源エネルギー庁長官は歴代で最長となる就任4年目に入った。国際エネルギー情勢は中東ホルムズ海峡の封鎖やロシアのウクライナ侵攻などによる地政学リスクが増す一方だ。専門誌・経済誌で構成する資源記者クラブは村瀬長官に9月30日、留任に際しての合同会見を行い、歴史的転換期に入っているエネルギー行政の当面の課題と政策の方向性を聞いた。
――最重要ポストの資源エネルギー庁長官を留任された抱負について。
村瀬佳史・資源エネルギー庁長官 重責を担うことになり、改めて身が引き締まる思いです。資源・エネルギーをめぐる課題は山積しており、高市政権の方針の下で着実に成果につなげていきたい。その一つ目は、中東情勢を踏まえエネルギーの安定供給確保をしっかりとやり遂げていく。今年に入り中東情勢が緊迫し、ホルムズ海峡からの供給が実質的に途絶える事態が発生、国家備蓄を過去最大の50日分を放出することで対応しつつ代替調達を進めるなど、供給力確保に努めてきた。引き続き中東情勢は非常に厳しい状況だが、我が国のエネルギー確保に向け万全を期していく。
二つ目は、ホルムズ海峡など特定経路に依存しない供給構造を早期に構築していく。供給多角化に向け様々な調達ルートを早い段階で整えていく。併せて、貿易保険など安定供給実現のための制度的措置を検討中であり、次期国会に向け法案準備を進めている。
一方で、足元の大きな変化への対応も必要だ。AIの時代となり、データ主導型社会が発展する中で、電力供給力の確保が大きな課題となっている。100万kW級の需要増も想定される中で、しっかりと再生可能エネルギー、原子力など脱炭素電源による供給力の確保を進め、その取り組みをさらに加速させていく。今春には柏崎刈羽原子力発電が再稼働し、順調に運転を続けている。7月には高市政権の下で原子力の新規建設の方針を決定、美浜など新規建設に向けた調査も始まった。
国産エネ確保重要性高まる、LNG不安なし
――原子力発電のバックエンド対策やこのほど示された「パワーGX」の取組については。
村瀬長官 原子力を活用する以上、バックエンド対策は着実に進めていく必要がある。2026年度は六ヶ所の再処理施設の竣工目標年度でもあり、核燃料サイクルをしっかりと前に進めていく重要な年となる。最終処分も、南鳥島では調査が開始され、常陸大宮市長には文献調査の実施に応募いただいた。今回の中東情勢を受けて、国産エネルギーの重要性が改めて浮き彫りになった。原子力、再生エネをしっかり進め、化石燃料への依存をできるだけ低減できる体制をつくっていく。同時に、省エネや新しいクリーンフューエルなど様々な取り組みをさらに加速していく。
(以下については本誌��2891をご参照ください)
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