経済産業省は3月24日、電気事業法の一部改正案を国会に提出した。大規模電源と送電系統設備に融資する新制度をつくるほか、電源の休廃止前に発電事業者に対して一般送配電事業者との事前協議を求める。電力需要の拡大局面を迎え、安定供給対策を強化する。改正法案が成立すると、電力広域的運営推進機関(広域機関)が財政投融資による資金支援の役割を担う。広域機関は全国大での電力融通を調整する組織として発足したが、機能は大幅に拡大する。
■広域機関が電源と送電網整備に財政的支援
赤澤亮正経済産業相は3月24日の閣議後会見で、「国際的なエネルギー情勢が変化する一方、国内では電力需要の増加が見込まれている。こうした中で電力の安定供給を確保するためには、大規模な電力インフラ整備の促進が重要だ。このため、改正法案では広域機関による財政投融資を活用した大規模送電線・大規模電源への貸付け措置を講じる。また改正法案では第三者機関によるPV設備の安全性確認を義務化する」と説明した。
改正電事法案の重要事項は新たな電力システム改革に向けた制度創設とメガソーラー対策だ。前者では、広域機関が大規模電源や送電系統網整備に融資できるようにする。融資制度では建設期間が長期にわたり、多額の資金が必要となる原子力発電所などの大規模な電源と系統整備が対象となる。財源は財政投融資を活用する。
まずは出力50万kW以上の大電源を目安に検討する。系統増強については、「認定整備等計画」を策定した連系線を対象にする。地内系統も上位2電圧などの基幹系統を対象にする予定。
また、供給力確保の強化策として、発電事業者が大規模電源を休廃止する際に一般送配電事業者と事前に協議する仕組みを導入する。電源休廃止は現行制度では9ヵ月前の届出が義務づけられている。今回改正案において発電事業者は一般送配電事業者と電源の休廃止検討状況を数年前から事前協議をすることを義務化する。(下記)
◇大規模送電線・大規模電源の整備の促進等
〇経産相は一般送配電事業者等の地域内送電線等の整備計画や大規模発電事業者の大規模電源の整備計画を認定、広域機関が財政投融資等を活用して整備等に必要な資金の貸付けを行う 〇広域機関が行っている一般送配電事業者等に対する地域間送電線等の認定計画に基づく整備等に必要な資金の貸付けの原資を拡充し、財政投融資等を活用できるようにする 〇広域での電力取引によって生じる資金(値差収益)を国庫納付することとし、広域機関への補助を通じた地域間・地域内送電線の整備等に活用する 〇大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に一般送配電事業者等と事前に協議を行うことを定める
(以下については本誌2867をご参照ください)
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