週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2858.2.5




第1レポート次の記事

…3年以内に2000億円程度の保有資産売却、関電工株式を早速売り出し

東電HD5次総特策定、内外企業とアライアンス強化



 東京電力ホールディングス(東電HD)は1月26日、筆頭株主の原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)とともに、経済産業省から認定を受けた「第5次総合特別事業計画」(5次総特)を公表した。収益拡大に向けた他社とのアライアンス推進と原発廃炉体制の強化などが柱。経営効率化のため、今後10年で累計3.1兆円のコスト削減を明記した。柏崎刈羽6・7号機が再稼働しても福島第一原発事故の廃炉費用が嵩むことから、成長投資などによる財務基盤強化を進める。

廃炉事業の貫徹、エネ安全保障への対応推進
 東電HDの小早川智明社長は同日の会見で、「電気事業を巡る環境変化と強い危機意識を持って、原賠機構と協力しながらあらゆる検討を進めた。廃炉の燃料デブリの本格取り出しは最難関の事業だが、体制強化によって遂行する」と強調した。総特の大幅改定は2021年8月以来で、4年半ぶりとなる。従来の総特の基本的な考え方を維持しつつ廃炉の進捗、エネルギー安全保障への要請の高まりなどの環境変化に対応する決意を示した。

   ◇第5次総合特別事業計画のポイント
 〇長期にわたる廃炉の貫徹…経営判断・能力・体制の三本柱で抜本的に廃炉事業の改革を行う。原子力関連組織の体制を適切に見直し、廃炉遂行主体が廃炉に係る経営リソースや経営方針に主体的役割を果たせる体制に移行 〇GX・DX、エネルギー安全保障等に対応した安定供給・財務状況の改善…「迅速な電力供給」「脱炭素電源の確保」「多様なニーズに応じた料金メニュー」の三つの社会価値提供に向け事業構造の変革を進める 〇アライアンス…期限を切った具体的な提案募集に先立ち、アライアンス提案等の精査・評価を行う検討体制を構築 〇国の関与の在り方と公的資本・資金の回収…国は福島事業に長期関与、経済事業は早期自立。東電はこれまでどおり、賠償年2000億円程度、廃炉年3000 億円程度を負担

 東電福島第一原発事故の廃炉や賠償にかかる費用で、東電の負担分は16兆円超に上る。柏崎刈羽原発が1基再稼働すれば年約1000億円の収支改善効果が見込まれるものの、電力小売の競争激化と送配電投資の拡大に加え、足元のインフレ等によってキャッシュフローなど財務状況は悪化している。フリーキャッシュフローは、2018年度以来7期連続赤字で25年度も赤字決算が続く。そのため5次総特では人件費や設備費などの合理化を進め、34年度までに計約3.1兆円のコスト削減と、3年以内に株式など2000億円程度の保有資産売却を明記した。


(以下については本誌2858をご参照ください)



第2レポート 次の記事 前の記事

…「SAF官民協議会」が導入実現に向けた4本柱を決定、需給両面から対応急ぐ

SAF推進で「値差支援」など利用者負担制度導入へ


 持続可能な航空燃料(SAF)導入テコ入れ策の検討を進めてきた経済産業省と国土交通省は1月28日「SAF導入促進官民協議会」を開き、「更なるSAF導入促進に向けた基本方針」を策定した。今後、両省は燃料供給事業者へのSAF供給の義務化と、国産SAF供給体制および利用者負担制度の構築に取り組む。

2〜3倍価格上昇に利用者負担など4本柱
 SAFの導入普及に向けては、欧州とシンガポールなどで供給義務化や利用者負担など制度整備が先行している。わが国も脱炭素および経済安全保障の観点から、「2030年に国内航空会社燃料使用量の10%をSAFに置き換える」目標を設定。これを踏まえ、石油元売会社は年間計110万kl生産体制の確保を目指している。
 昨年2月には、商用規模のSAF製造プラント建設を支援する「SAF製造・供給体制構築支援事業」に 、出光興産(徳山事業所:規模25万kl) ENEOS(和歌山製造所:40万kl)、コスモ石油(坂出物流基地:15万kl) 、太陽石油(沖縄事業所:20万kl)の4社が選定された。これに加え別途推進中の出光千葉事業所(10万kl)も含めた五つのプロジェクトが、「戦略分野国内生産促進税制」の活用も想定しつつ、商用規模プラント建設のための基本設計から建設(EPC)へと移行中だ。
 そうした中、石油元売会社と航空会社が国産SAF売買の価格交渉を始めたものの、従来ジェット燃料の2〜3倍とされる国産SAF価格交渉で航空業界は世界標準の価格を要求。交渉が難航しており、石油元売側も商用プラントの最終投資決定ができないでいた。一方で30年供給目標の実現のためには、遅くとも26年末の最終投資決定が必要とされていた。このため、経産・国交両省は石油元売と航空業界が共存できる仕組み構築が必要として、昨年7月、官民協議会に「更なるSAF導入促進検討タスクフォース」を設置、海外の事例も参考に規制・支援措置の検討を進めてきた。
 その結果、28日の官民協議会において基本方針をまとめ、@規制的措置、A競争力のある価格での安定的な供給体制構築、B需要創出および利用者負担に係る仕組み構築、C機運醸成――の4本柱で、対策強化の方針を示した(右記)。




(以下については本誌2858をご参照ください)


ジャンル別週間情報
前の記事

北海道電、苫小牧にLNG火力と基地を検討

東北電力、新潟上越LNG火力1号機出力増

電気事業連合会、次の電力システム改革に意見提出

Jパワー社長に加藤常務昇格へ、59歳で大幅若返り

都26年度予算案、再・省エネ・水素実装など増額




戻る
【TOP】 【今月のキーワード】 【エネ環ダイジェスト】
【書籍紹介】 【最新号見出速報】 【今週の注目記事】 【記事データベース】
【こぼれ話】 【省エネ・新エネ】 【出版物案内】 【本誌紹介】 【会社概要】 【リンク集】
ML> m">【リンク集】 ML> ML>