週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

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No.2868.4.16




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…中東情勢激変がCO2削減対策に影響。提言は再資源化拠点構築など

CO2等微減にイラン情勢、自民調査会等が循環経済提言



 米・イスラエルとイランによる戦闘状態によるホルムズ海峡封鎖でエネルギー情勢に激変が続く中、国際的な気候変動対策にも暗雲が広がっている。環境省は14日、2024年度における我が国温室効果ガス(CO2等)の排出量・吸収量を公表した(国立環境研究所も同時発表)。排出・吸収量は23年度と同様に減少傾向を持続したが、その減少幅は次第に小さくなっている。
一方、中東情勢の激変による我が国経済活動への影響を危惧する自民党は同日、環境・温暖化対策調査会、環境部会、経済産業部会合同でCO2等削減対策にも密接に関係する「循環経済(サーキュラ―エコノミー)に関する政策提言」を石原宏高環境相に要望した。

CO2排出減少続くも微減、構造対策にシフト?
  毎年公表のCO2等排出量・吸収量では、24年度分は約9.94億tとなり前年度比1.9%減、基準年としている13年度から28.7%減となり、政府目標の30年度△46%、35年度△60%等の達成に向けて、ほぼそのトレンド上にあることが明らかになった(右表参照)。初めて10億tの大台を下回った24年度の減少分には、製造業の生産量減(実質GDPは前年度比+0.6%)に伴うエネルギー消費量の減少や再エネ・原発による電力供給増が寄与したと要因分析。この結果、24年度のCO2排出量は約9.7億tとなり、前年度から1.7%減少した。
部門別排出量では産業部門が△2.5%、運輸(自動車等)△1.6%、業務その他+0.2%、家庭△0.7%エネ転換△2.5%となっており、業務その他部門のみが前年度よりも増加した。これについて、環境省は自動車におけるEV等転換の遅れが主因と見ており、今後トヨタ等による低価格EV等の生産が大きくなれば、反転するのではないかと期待する。
一方で、CO2等排出量を相殺する森林等吸収源分は約5230万tと前年度並みとなっており、20年頃からの横ばい傾向が続いている。この原因について、環境省は樹木の高齢化による光合成の減少、森林業の衰退などを挙げており、今後は新たな吸収源として海藻等のブルーカーボン拡大に注力したいとする。

(以下については本誌2868をご参照ください)



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…スクラップヤードを許可制に。災害廃棄物専門機関を今秋JESCOに設置

「廃棄物処理改正案」国会提出、ヤード規制等強化へ


 「廃棄物処理法等の改正案」と「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正処理推進特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法改正案」が4月10日に閣議決定され、環境省は同日国会提出した(次頁参照)。前者は、スクラップヤード(保管・再生施設)の規制強化と、災害廃棄物対策専門支援機関を創設する。後者は、PCB処理の新体制の整備と、中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)が担ったPCB業務の廃止を行う。JESCO法改正案は両法案にまたがる。

■保管・再生施設に許可制、不適正処理に罰則
 上記2法案のうち廃棄物処理法等改正案では、スクラップヤード関連の規制強化と災害廃棄物対策の強化を柱に据えた。ヤード規制では、プラスチック等が混入した雑品スクラップや金属スクラップなどの不適正処理による水質汚濁や悪臭、騒音、火災事故などによる汚染が各地で問題視されていることから、その防止に向けて保管・再生業の許可制度を創設する。一方で、各国が金属や鉱物資源の囲い込みを進める中、経済安全保障確保の観点から、再生資源の活用に向けた取組強化を図る。
 具体的には、使用済みの鉛蓄電池とリチウムイオン電池、電子基板(e-scrap)や使用済み家電、金属スクラップ、雑品スクラップを「要適正再生使用済み金属・プラスチック物品」として定め、その保管・再生(切断、圧縮、破砕、選別、洗浄等再生のための保管含む)を行う事業者に対し、業許可の取得を義務づける。併せて、対象物品ごとに基準を新設してその遵守を義務づけ、不適正処理を行った事業者には事業停止命令や業許可の取り消し、罰則等の措置を講ずる。ただ、一般廃棄物処分業者や製鉄・精錬工程等の一部として行われる再生事業については規制対象外とする。
 また「特定要適正再生使用済み金属・プラ物品」を別途指定。当該物品は国内での再生利用を原則とし、輸出する場合は環境大臣確認を義務づける。法施行は基準整備や自治体準備に時間が必要として、公布後2年6ヵ月以内と長く設けた。
 一方、課題となっている再生材拠点整備や供給網構築に向けた対策は、内閣官房が今月中に策定予定の「循環経済行動計画」を踏まえて、2027年度予算要求や関連法の整備に着手する方針だ。

◇廃棄物処理法等の改正概要
 1.廃棄物処理法改正
 1)スクラップヤードへの規制強化…○保管・再生を行う事業に関し許可制を導入(各種リサイクル法等上の認定事業者を許可みなしとするための関連法の改正も併せて実施) ○対象物品に応じた保管、再生方法の基準を設ける。基準違反には、改善命令、措置命令、罰則を適用 ○環境汚染のおそれのある物品の輸出に際して環境大臣確認の仕組みを創設 [施行期日:公布から2年6ヵ月以内]
 2)災害廃棄物の処理推進…○市町村に災害廃棄物処理に係る計画策定を義務付け。自治体と民間事業者等との災害支援協定の締結推進 ○災害廃棄物を受け入れる民間の最終処分場に対する都道府県知事の指定制度創設 ○国は災害廃棄物処理の調査研究、技術開発等推進[3ヵ月以内]
 2.JESCO法改正…○自治体への専門支援機能を担えるよう災害廃棄物関連事業を追加[3ヵ月以内]

 ◇PCB特措法およびJESCO法の改正概要
 1.PCB特措法改正
 1)高濃度PCB…○JESCOの事業終了後、新たに発見される高濃度PCB廃棄物に備えて処分期間の規定を見直す。発見後に一定期間内の処分を義務付ける ○今後、処理能力を有する民間処理施設で安全に処分(民間処理施設での処理に係る基準等は廃棄物処理法の告示改正で措置) [施行は27年4月1日]
 2)低濃度PCB…○使用終了後の適正な処分を図るため、低濃度PCB使用製品の管理基準や届出制度を創設[27年4月1日]
 2.JESCO法改正…○高濃度PCB廃棄物の処理完了のためPCB処理事業廃止[1年以内]




(以下については本誌2868をご参照ください)


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