帝国データバンクは国内製造業の3割にあたる全国4万6741社に、ナフサ不足に伴う「調達リスク」に直面する可能性があるとし、今後製造業を中心として“ナフサショック”倒産の多発を指摘した。経済産業省は「ナフサは足りている」と繰り返し説明しているが、末端まで十分に製品が届かない状況が全国規模で発生している。この温度差解消が大きな課題となっている。
帝国データバンク、今夏の倒産急増を警鐘
ナフサは原油から精製される軽質留分であり、様々なプラスチック製品やシンナーなど有機溶剤の原料となっている。そこから得られる最終製品は数千種類とも言われ、ナフサが不足すれば様々な業界に影響を及ぼす。米国とイランによるホルムズ海峡の封鎖に伴い、各種製品の供給不安が発生。TOTOは一時受注を停止、その後再開したが納期が長期化するなど影響は続いている。先週はカルビーがインク溶剤の調達不安から包装袋をモノクロに変更することを発表するなど、大手企業の生産活動にも影響を与え始めた。
帝国データバンクの調査では、ナフサ不足に伴う「調達リスク」に直面する可能性がある国内製造業のうち、約6割が資本金「1000〜5000万円未満」の中小企業だ。また、アンケートでは、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や供給不安が経営に「マイナス影響がある」とした企業の割合は96.6%に上った。同調査では「原油高騰のあおりを受け、燃料や化学品だけでなく、プラ製品、建材、アパレル資材、飼料など幅広い分野で価格が上昇し、企業の仕入れコスト増が懸念される」とし、「ナフサショックで夏頃から企業倒産が急増する可能性がある」と警鐘を発した。
その一方で、高市政権は「ナフサの調達は年明けまでメドがついた」としており、政府と現場との温度差が極めて大きい状況が続いている。
シンナー不足はナフサ輸入減が主要因
資源エネルギー庁によると、国家石油備蓄の放出は現在7基地で行われており、20日間で計580万kl放出予定だ。15日時点での備蓄量は国家備蓄120日分、民間備蓄87日分の計208日分を確保している。ちなみに、国家備蓄量は放出により3月末時点の146日分から減少しているが、民間備蓄は逆に3月末の81日から増加した。
(以下については本誌2872をご参照ください)
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