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No.2867.4.9




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…広域機関の役割拡充、市場取引を多様化、不適正事業者の排除など

改正電気事業法案国会提出、インフラ整備支援と規律強化



 経済産業省は3月24日、電気事業法の一部改正案を国会に提出した。大規模電源と送電系統設備に融資する新制度をつくるほか、電源の休廃止前に発電事業者に対して一般送配電事業者との事前協議を求める。電力需要の拡大局面を迎え、安定供給対策を強化する。改正法案が成立すると、電力広域的運営推進機関(広域機関)が財政投融資による資金支援の役割を担う。広域機関は全国大での電力融通を調整する組織として発足したが、機能は大幅に拡大する。

■広域機関が電源と送電網整備に財政的支援
 赤澤亮正経済産業相は3月24日の閣議後会見で、「国際的なエネルギー情勢が変化する一方、国内では電力需要の増加が見込まれている。こうした中で電力の安定供給を確保するためには、大規模な電力インフラ整備の促進が重要だ。このため、改正法案では広域機関による財政投融資を活用した大規模送電線・大規模電源への貸付け措置を講じる。また改正法案では第三者機関によるPV設備の安全性確認を義務化する」と説明した。
 改正電事法案の重要事項は新たな電力システム改革に向けた制度創設とメガソーラー対策だ。前者では、広域機関が大規模電源や送電系統網整備に融資できるようにする。融資制度では建設期間が長期にわたり、多額の資金が必要となる原子力発電所などの大規模な電源と系統整備が対象となる。財源は財政投融資を活用する。
 まずは出力50万kW以上の大電源を目安に検討する。系統増強については、「認定整備等計画」を策定した連系線を対象にする。地内系統も上位2電圧などの基幹系統を対象にする予定。
 また、供給力確保の強化策として、発電事業者が大規模電源を休廃止する際に一般送配電事業者と事前に協議する仕組みを導入する。電源休廃止は現行制度では9ヵ月前の届出が義務づけられている。今回改正案において発電事業者は一般送配電事業者と電源の休廃止検討状況を数年前から事前協議をすることを義務化する。(下記)

◇大規模送電線・大規模電源の整備の促進等
 〇経産相は一般送配電事業者等の地域内送電線等の整備計画や大規模発電事業者の大規模電源の整備計画を認定、広域機関が財政投融資等を活用して整備等に必要な資金の貸付けを行う 〇広域機関が行っている一般送配電事業者等に対する地域間送電線等の認定計画に基づく整備等に必要な資金の貸付けの原資を拡充し、財政投融資等を活用できるようにする 〇広域での電力取引によって生じる資金(値差収益)を国庫納付することとし、広域機関への補助を通じた地域間・地域内送電線の整備等に活用する 〇大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に一般送配電事業者等と事前に協議を行うことを定める

(以下については本誌2867をご参照ください)



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…再資源化義務対象は段階的に拡大へ、認定制度設け廃棄物処理法の許可要件免除

「PV再資源化法案」決定・多量廃棄者に計画提出義務


 政府は4月3日、「太陽電池廃棄物の再資源化等推進法案」を閣議決定し、今国会に同日提出した。使用済み太陽光発電(PV)パネル等の適正処理と資源の有効利用を目的に、環境省と経済産業省の共管法として創設する。
事業用太陽電池の廃棄を行う事業者に対して判断基準の遵守を求めるとともに、一定規模以上のパネル等の多量排出事業者に対し、「太陽電池廃棄実施計画」の提出を義務づけた。

多量排出事業者に限定、再資源化義務付け
 昨年国会提出を目指した「太陽光発電パネルリサイクル法案」(仮称)は、所有者への適正なリサイクル・廃棄処理等を義務づけるとともに、製造事業者への費用負担および情報提供・共有システムの構築などを柱に据えていた。しかし、特に費用負担のあり方など他の再資源化法との整合性等に関し内閣法制局の審査で調整が不調となって提出を断念、新法案は前回案を大幅に修正、新たな構成に見直した(次頁)。
 資料1)の基本方針は、PVパネルの廃棄者(発電事業者)と排出者(解体工事業者)、再資源化事業者(収集運搬・処分)、PV製造・輸入・販売業者および国・自治体の責務を規定する。併せて、施策の進捗を評価するためのリサイクル目標値と廃棄抑制・再資源化の円滑な実施に向けた取り組み、再生材の利用・促進などを求める。
 2)の廃棄者への規制措置は、事業用発電事業者に限定、国が定める「廃棄の抑制・再資源化実施に関する判断基準」の遵守を求める。取組が不十分な場合は国が指導・助言を行う。さらに、多量廃棄者(廃棄PVの重量が一定規模以上)に対しては、廃棄パネルの重量、排出予定時期、処分方法、処分の委託先等を示した「廃棄実施計画」の事前届出を義務づける。国の審査期間を確保するため、届出受理後30日間は排出を認めない。同計画が判断基準に照らして不十分な場合には勧告・命令を行う。この多量に該当する重量規模に関しては、政令事項として、検討を先送りした。

◇太陽電池廃棄物の再資源化等推進法案の概要
 1)国による基本方針の策定…○各主体の役割、リサイクル目標、施設整備の促進、費用低減・技術開発等の施策の方向性の明示
 2)多量の事業用太陽電池の廃棄をしようとする者(太陽光発電事業者等)への規制…○国が定める判断基準(段階的に強化)に基づくリサイクルの実施に向けた取組を義務付け(指導・助言、勧告・命令)※指導・助言は全ての事業用太陽電池の廃棄をしようとする者が対象。また廃棄抑制のための措置についても判断基準を策定(指導・助言)○多量事業用太陽電池廃棄実施計画の事前届出義務
 3)費用効率的なリサイクルを促進するためのリサイクル事業者への措置…○費用効率的なリサイクル事業の計画を国が認定し、都道府県ごとの廃棄物処理法の許可を不要とする特例措置、保管基準の特例措置等 ○技術開発・施設整備等の財政上の措置 ※リサイクル設備の開発・導入、再生材の価値向上に資する技術実証、保管施設の活用実証・導入等を想定
 4)製造・輸入・販売業者に対する措置…○環境配慮設計の実施等 ○含有物質に関する情報提供等
 5)制度の見直しに向けた検討規定(附則)…○最終処分場の残余年数、リサイクル費用の状況等を勘案して、太陽光パネルの幅広い廃棄に関する者を対象とした義務付けを検討し、制度を見直し
 6)施行期日…公布から1年6ヵ月以内




(以下については本誌2867をご参照ください)


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