週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2891.10.08




第1レポート次の記事

…歴史的転換期のエネ対策を続投の村瀬佳史資源エネルギー庁長官に聞く

「パワーGX」テコにエネ3法案提出、強靭な体制実現



 経済産業省の村瀬佳史・資源エネルギー庁長官は歴代で最長となる就任4年目に入った。国際エネルギー情勢は中東ホルムズ海峡の封鎖やロシアのウクライナ侵攻などによる地政学リスクが増す一方だ。専門誌・経済誌で構成する資源記者クラブは村瀬長官に9月30日、留任に際しての合同会見を行い、歴史的転換期に入っているエネルギー行政の当面の課題と政策の方向性を聞いた。

――最重要ポストの資源エネルギー庁長官を留任された抱負について。
村瀬佳史・資源エネルギー庁長官 重責を担うことになり、改めて身が引き締まる思いです。資源・エネルギーをめぐる課題は山積しており、高市政権の方針の下で着実に成果につなげていきたい。その一つ目は、中東情勢を踏まえエネルギーの安定供給確保をしっかりとやり遂げていく。今年に入り中東情勢が緊迫し、ホルムズ海峡からの供給が実質的に途絶える事態が発生、国家備蓄を過去最大の50日分を放出することで対応しつつ代替調達を進めるなど、供給力確保に努めてきた。引き続き中東情勢は非常に厳しい状況だが、我が国のエネルギー確保に向け万全を期していく。
二つ目は、ホルムズ海峡など特定経路に依存しない供給構造を早期に構築していく。供給多角化に向け様々な調達ルートを早い段階で整えていく。併せて、貿易保険など安定供給実現のための制度的措置を検討中であり、次期国会に向け法案準備を進めている。
一方で、足元の大きな変化への対応も必要だ。AIの時代となり、データ主導型社会が発展する中で、電力供給力の確保が大きな課題となっている。100万kW級の需要増も想定される中で、しっかりと再生可能エネルギー、原子力など脱炭素電源による供給力の確保を進め、その取り組みをさらに加速させていく。今春には柏崎刈羽原子力発電が再稼働し、順調に運転を続けている。7月には高市政権の下で原子力の新規建設の方針を決定、美浜など新規建設に向けた調査も始まった。

国産エネ確保重要性高まる、LNG不安なし

――原子力発電のバックエンド対策やこのほど示された「パワーGX」の取組については。
村瀬長官 原子力を活用する以上、バックエンド対策は着実に進めていく必要がある。2026年度は六ヶ所の再処理施設の竣工目標年度でもあり、核燃料サイクルをしっかりと前に進めていく重要な年となる。最終処分も、南鳥島では調査が開始され、常陸大宮市長には文献調査の実施に応募いただいた。今回の中東情勢を受けて、国産エネルギーの重要性が改めて浮き彫りになった。原子力、再生エネをしっかり進め、化石燃料への依存をできるだけ低減できる体制をつくっていく。同時に、省エネや新しいクリーンフューエルなど様々な取り組みをさらに加速していく。


(以下については本誌��2891をご参照ください)



第2レポート 次の記事 前の記事

…SAF急拡大も原料不足がネック、急がれる森林クレジット拡大

CCS一辺倒に課題、森林再生との統合政策が必要(上)


 SAF急拡大も、原料確保は圧倒的供給不足
 SAFはジェット燃料に最大50%まで混合して使用できるが、世界・日本ともに需要が急拡大する中で供給は圧倒的に不足している。国際民間航空機関(ICAO)は22年の総会で長期野心的目標を採択し、国際航空が2050年にネットゼロを達成するための削減寄与度をSAF55%、新技術21%、運航改善11%、オフセット13%と算定した。SAF55%を達成するには年間4.5億kl必要で、これは22年の世界ジェット燃料供給量の約1.5倍に相当する。しかし、現在のSAF供給量はわずか0.3%であり、需要とのギャップは数百倍規模ある。
 現在、世界SAFのほぼ100%は廃食油・動植物油系(HEFA)を原料としており、商用化されている。既存のバイオディーゼル設備を転用でき、世界的な工業規格のASTM規格にも適合しやすいが、原料の量が世界的に限られ、食料との競合や価格高騰もあって供給拡大は難しい。このためSAF全体でのシェアは0.3%にとどまる。合成系eSAFはCO2
とグリーン水素を用いるためコストが高く、大規模プラントも建設途上にあり、再エネ電力の大量確保が必要なことから、現時点では世界供給のほぼ0%に近い。
 2030年のSAF導入目標は、世界経済フォーラムが10%、EUが6%の義務化、米国が30億ガロン(約1140万kl)生産、日本は国内航空燃料の10%(約171kl)をSAF化とする。国内供給見込みは約192万klと数字上は需要を上回るが、原料確保が最大の制約である。日本ではENEOS、出光、コスモ、富士石油等が26〜28年にHEFA大量生産を計画するが、原料制約から2030年以降は合成系SAFの比率が増加すると予測される。

廃棄物処理場排ガスからSAF生成実証へ
 現時点でアミン吸収による商用規模のCO2回収設備は本格稼働していないものの、企業による導入検討や実証レベルの取り組みが進みつつあり、将来のCCUS拠点として日本の北海道苫小牧は最も有望な地域の一つである。






(以下については本誌��2891をご参照ください)


ジャンル別週間情報
前の記事

省エネ法荷主対策強化へ情報開示と評価制度導入

NEDO、海藻再生拠点造成・CO2吸収源確保

国環研などGHGセンター設立・CO2情報一元化

製品含有化学物質情報等の伝達サービス提供開始

東ガス、北海道電力のLNG基地整備を受注




【戻る】
【TOP】 【今月のキーワード】 【エネ環ダイジェスト】
【書籍紹介】 【最新号見出速報】 【今週の注目記事】 【記事データベース】
【こぼれ話】 【省エネ・新エネ】 【出版物案内】 【本誌紹介】 【会社概要】 【リンク集】
ML> m">【リンク集】 ML> ML>