米・イスラエルとイランによる戦闘状態によるホルムズ海峡封鎖でエネルギー情勢に激変が続く中、国際的な気候変動対策にも暗雲が広がっている。環境省は14日、2024年度における我が国温室効果ガス(CO2等)の排出量・吸収量を公表した(国立環境研究所も同時発表)。排出・吸収量は23年度と同様に減少傾向を持続したが、その減少幅は次第に小さくなっている。
一方、中東情勢の激変による我が国経済活動への影響を危惧する自民党は同日、環境・温暖化対策調査会、環境部会、経済産業部会合同でCO2等削減対策にも密接に関係する「循環経済(サーキュラ―エコノミー)に関する政策提言」を石原宏高環境相に要望した。
CO2排出減少続くも微減、構造対策にシフト?
毎年公表のCO2等排出量・吸収量では、24年度分は約9.94億tとなり前年度比1.9%減、基準年としている13年度から28.7%減となり、政府目標の30年度△46%、35年度△60%等の達成に向けて、ほぼそのトレンド上にあることが明らかになった(右表参照)。初めて10億tの大台を下回った24年度の減少分には、製造業の生産量減(実質GDPは前年度比+0.6%)に伴うエネルギー消費量の減少や再エネ・原発による電力供給増が寄与したと要因分析。この結果、24年度のCO2排出量は約9.7億tとなり、前年度から1.7%減少した。
部門別排出量では産業部門が△2.5%、運輸(自動車等)△1.6%、業務その他+0.2%、家庭△0.7%エネ転換△2.5%となっており、業務その他部門のみが前年度よりも増加した。これについて、環境省は自動車におけるEV等転換の遅れが主因と見ており、今後トヨタ等による低価格EV等の生産が大きくなれば、反転するのではないかと期待する。
一方で、CO2等排出量を相殺する森林等吸収源分は約5230万tと前年度並みとなっており、20年頃からの横ばい傾向が続いている。この原因について、環境省は樹木の高齢化による光合成の減少、森林業の衰退などを挙げており、今後は新たな吸収源として海藻等のブルーカーボン拡大に注力したいとする。
(以下については本誌2868をご参照ください)
|