週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

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No.2848.11.20




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…認定制度でプラや金属、PVパネル、LIB等の再資源化事業を支援、100件認定めざす

再資源化事業等高度化法認定制度、21日全面施行へ



 環境省は11月21日、「再資源化事業等高度化法」を全面施行する。政府は、▽再資源化事業等高度化計画認定制度、▽一定規模以上の産業廃棄物処分業者に義務づける再資源化実施状況の報告・公表制度、▽計画認定審査の一部を担う登録調査機関制度――とその施行期日に関する政令を同7日に閣議決定した。環境省は施行と同時に、認定制度の申請受付等の手続きを開始する。
 
高度再資源化は廃プラ・金属リサイクル等
 「再資源化事業等高度化法」は今年2月に基本方針など第一段を施行(下記)。冒頭の制度施行を残すだけとなっていた。なかでも認定制度は、先進的な再資源化事業に取り組む事業者を後押しする制度で、同法の中核をなす。具体的には、@高度再資源化事業、A高度分離・回収事業、B再資源化工程の高度化事業――の3類型を設定、特例措置や対象事業、認定要件を規定する。特例措置は、@Aが廃棄物処理法の業許可と施設設置許可、Bが業の許可のみ免除措置となる。

 ◇再資源化事業等高度化法…廃棄物処分業者など静脈産業側から、脱炭素化及び再生資源の質・量の確保、処分事業者・再資源化事業者の底上げなど、資源循環を一体的に促進するため、昨年5月に制定。すでに基本方針、廃棄物処分事業者が遵守すべき判断基準――などが今年2月に施行済み。

 3類型のうち@の高度再資源化事業は、製造側が必要とする質・量の再生材を確保するため、広域的な分別収集・再資源化する事業を後押しする。企業が提出した事業計画を国が一括認定することで、廃棄物処理法の収集・運搬と中間処分事業の業許可(再委託を含む)及び施設設置許可の取得が免除される。対象事業にはPETボトルなどの水平リサイクル、金属リサイクル、廃プラスチックの油化、ガス化事業などが想定されている。
 政省令では、事業者が作成する事業計画への記載事項、申請事業者の能力基準、実施状況の報告、地域振興への配慮、CO2等の削減効果その他遵守すべき基準などを明記。廃棄物処理法関連では処理施設の技術基準、維持管理基準、処理基準など現行法に基づく生活環境への影響評価と監視、保全関連の基準を適用し、遵守を求めた。また▽動静脈連携の構築(再生材の質と量それぞれにおける安定供給)とトレーサビリティの確保など独自基準、▽処理施設技術基準としてより高度な再資源化に係る構造、▽廃棄物処理基準における保管方法独自基準――なども規定された。

(以下については本誌2848をご参照ください)



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…小売電気事業者の非化石電源新目標40年度に60%以上へ

需給調整市場の高価格約定見直しへ、蓄電池事業に影響


 経産省は混乱している電力需給調整市場の正常化に向けてテコ入れをしている。応札量・約定量が未達状態で市場原理が働いていないからだ。このため、募集量を削減したり市場外取引を併用するなど、約定価格を安定化させる制度変更を矢継ぎ早に打ち出している。需給調整市場は2026年度からすべての商品が前日取引へ移行することから、正常な市場として機能するかどうか注目が集まっている。

■26年度に一次と二次調整力@の募集量削減
 経産省は26年度以降の需給調整市場で一次調整力と二次調整力@の募集量を削減する方針を固めた。同省の試算結果で、一次と二次@は26年度に応札不足が懸念されたことによる。エリアや時間帯によって異なるものの一次分が51〜81%、二次@分が61〜86%減少すると試算されたため、対応策として募集量を削減する。その上限価格も2商品で1ΔkWh当たり7.21円まで引き下げる。
 2商品の25年度の募集量は、調整力が必要な事象のほぼすべてをカバーできる水準に設定されていたが、26年度は事業の約84%をカバーできる水準まで募集量を減らす方針だ。10月29日に開かれた制度検討作業部会の会合で事務局が示した。
 需給調整市場は、一般送配電事業者が送電系統内の需給バランスを一致させるために必要となる調整力をより効率的に調達するために21年度から開始した。22、24年度と応動時間や継続時間に応じて、取引する調整力の種類を増やした。現在は5種類の調整力が取引されている(図1)。
 今年度までの需給調整市場の商品には、毎日取引が行われるもの(前日商品)と、週に一度だけのもの(週間商品)とがある。三次調整力Aは毎日、翌日分の入札・約定が行われるが、その他の一次〜三次調整力@は、土曜日から金曜日までの1週間分を直近の火曜日にまとめて約定する仕組み。ただ、26年4月からは週間商品すべてが前日取引へ移行する。さらに26年度から家庭用蓄電池やエコキュート、EV、エネファーム、デマンドレスポンス(DR)などの低圧電源も、一定規模に集約できれば参入できるようになる。



(以下については本誌2848をご参照ください)


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