週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2885.8.27




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…GX―ETS、コストの増減を電力卸取引価格に反映する方針を検討中

新制度公的融資対象は50万kW以上、脱炭素電源を優先



 改正電気事業法が先の特別国会で7月17日に成立し、同24日公布された。経済産業省は今年12月頃の施行に向け新たな制度の詳細設計に着手した。具体的には大型発電所の開発・建替えや送配電網整備への公的融資制度、小売電気事業者への供給確保強化対策となる中長期取引市場、今年度から本格導入した国内排出量取引(GX―ETS)による費用・収益を電力卸取引価格にどう反映していくかなどが焦点となっている。

■公的融資などの詳細な制度設計を具体化
経産省は改正電事法によって創設された新制度の詳細設計を議論する検討会として、7月に「電力事業環境整備WG」(座長;秋元圭吾地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー)を立ち上げた。同WGは「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG」の後継にあたる。以前の制度設計WGは次世代の電力システムを構築する観点から、電源・系統整備向け投資に対する投融資、市場を通じた安定的な価格での需要家への供給に向けた小売事業の環境整備などに関して、制度設計の方向性を今年3月に整理した。
新たな電力事業WGはまず、改正電事法によって創設された大型発電所の開発・建替えや送配電網整備に対する公的融資の詳細制度設計を議論する(上図)。さらに電力卸取引市場におけるGX―ETSの取り扱いについても検討する。

■初の公的融資は27年3月から実行予定
 経産省は7月28日に衣替えした電力事業WGの2回目の会合を開いた。会合では国の財政投融資を財源とした電力広域的運営推進機関による融資対象を50万kW以上の大規模電源とする方針が示された。委員から大きな異論はなかった。
融資対象の方針は安定供給への貢献度や長期にわたり巨額資金を要することが考慮され決まったという。初融資は、計画認定や融資審査などの作業を踏まえて2027年3月に実行する予定。事務局案は融資対象とした50万kW以上について、同一発電所内で複数の発電設備の合計出力が50万kWを超えれば要件を満たすとした。ただ、無関係の複数発電所を束ねることや運転開始時期が大幅に異なる場合は同一の融資対象として認めない。
注目すべきは、長期脱炭素電源入札の対象となる大型電源と公的融資制度の関係だ。広域機関が実施する同入札は、原則20年間の固定費相当の収入を受け取れることで落札した発電事業者の投資回収予見性を確保し、脱炭素電源への新規投資を着実に促して安定供給と脱炭素化に必要な電源の供給力を確保する狙いがあった。今回の新たな公的融資制度でも同様に優先的に支援するようだ。つまり洋上風力、原子力、地熱、水素・アンモニア火力などが公的融資制度の対象電源となる。しかも落札した大規模電源は、融資資金回収の確実性が公的融資制度の計画認定や融資審査によって高く評価されることから、一層有利となる見通しだ。

(以下については本誌2885をご参照ください)



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…大林組、大成建設、東電RP、五洋建設など。住友商事は英国で事業参画

浮体式洋上風力開発でNEDOと国交省計12テーマ採択


 浮体式洋上風力商用化に向けた技術開発でNEDOは8月17日、「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」のテーマ5件を採択。これに先立ち国土交通省も7月24日に「浮体式洋上風力発電の最適な海上施工方法の確立に向けた技術開発制度」で技術開発7件を採択した。一方、住友商事は英国の浮体式洋上風力への資本参加を表明。技術開発と並行して実プロジェクトに関する国内企業へのノウハウ蓄積が期待されている。

NEDO開発テーマ5件採択、コスト削減実現
 NEDOは浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発として、右記の開発テーマ5件を採択した(テーマ/代表企業)。
 大林組などによる「TLP型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の実用化検証」は、係留設計手法の高度化、大水深でのサクションアンカー無人化施工、浮体と係留索を接続するコネクターの疲労耐久性検証など、未解決の技術課題に取り組む。TLPは浮体の動揺を低減しつつ、海域使用面積も減らすことが出来る係留方式で、日本近海の洋上風力では有効な方式とされている。
 ●TLP型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の実用化検証/大林組 ●光ファイバセンシングを活用した高耐食型鋼製ケーブルによる係留システムの長期モニタリング技術・健全性評価技術の研究開発/神鋼銅線工業 ●コンクリート製浮体の設計・製造・維持管理を通じた低コスト化に資する技術開発/大成建設 ●浮体式洋上風力発電の洋上での風車施工技術及び大規模修理技術の開発/東京電力RP ●モジュール型浮体に導入するピン結合技術及びグラウト接合技術の開発/JFEエンジニアリング

 神鋼銅線工業などによる「光ファイバを活用した係留ケーブルの長期モニタリング技術」は、海象条件の厳しい日本近海大水深での係留システム保守点検作業を想定。光ファイバセンサで健全性を監視、保守点検費用の抑制を期待する。
 大成建設などによる「コンクリート製浮体の低コスト化技術開発」では、15MW級浮体の製造実証試験を行い(写真)、コンクリート打設の最適化や部材接合部の構造成立性を実寸大モデルで検証し、各種標準化を推進する。また海水下での疲労と塩分浸透が複合的に作用する影響を評価し、設計・維持管理計画に反映する。






(以下については本誌2885をご参照ください)


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