会長に一橋大・栗原教授、理事に舟橋川越市長、石川秋田市長ら
―省エネ・新エネ普及ネット設立総会―
10月25日、省エネルギー・新エネルギー普及協議会の設立総会が東京都内で開かれ、定款を決定するとともに役員を選出した。これにより同協議会は正式にスタートする。
決定した役員は次の通り(敬称略)
会長 栗原史郎(一橋大学商学部教授)
理事 舟橋功一(川越市市長)
石川錬治郎(秋田市市長)
竹内 謙 (鎌倉市市長)
藤田 恵(徳島県木頭村村長)
蒲谷 昌生(ソーラーシステム研究所代表)
横田 克己(市民がつくる政策調査会代用
清水 文雄(エネルギージャーナル社代表)
(なお、後日連合代表一人を理事に選出する予定)
監事 仲井冨(エネルギージャーナル社顧問)
平野真佐志(ジャーナリスト)
事務局長 石田 久雄(エネルギージャーナル社扁球顧問)
設立総会ではこのほか、99年度予算および事業計画を決定、今後、会員数の増加とともに、事業のいっそうの拡大をめざすことで合意した。
木質バイオマス促進には環境税が不可欠
―欧州バイオマス協会会長強調―
「欧州のバイオエネルギー政策と技術開発の現状」と題する勉強会(主催木質バイオマス利用研究会・国土緑化推進機構、協賛省エネルギー・新エネルギー普及協議会)が10月25日、東京都内で約70人が参加して開かれた。席上、欧州バイオマス協会会長、スウェーデン・バイオエネルギー協会会長のケント・ニーストローム氏はスウェーデンですでに一次エネルギーの約20%が木質バイオマスエネルギーに転換していることに関連して、「3回にわたる税制変更の結果、エネルギー供給ミックスが変わった」と延べ、環境税の導入がバイオマスはじめ自然エネルギー導入、促進のカギになると強調した。
また、同氏は森林資源に限らず麦わら(ストロー)、もみがらなどエネルギー作物がバイオマスエネルギーの資源として重要であるとの認識を示し、「バイオエネルギーの供給を現在の3倍に引き上げるには、エネルギー農作物の利用いかんにかかっている」と語った。さらに、スウェーデンではベクショ市はじめ5都市が化石燃料の完全排除に向けて競い合っていることを披露した。
このほか、米国のボイラーメーカー、フォスター・ウイラー社のフォルケ・エングストローム氏とスウェーデンのTPS社のヘンリック・ルンドベルグ氏がバイオマス発電などの技術開発に関して講演したが、ルンドベルグ氏も「なんらかの形で環境税を導入しないとバイオマスは化石燃料を凌駕できない」と述べた。
EUでは一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を2010年まで、現在の4%から8%に引き上げる行動計画を推進しており、米国でもバイオエネルギーなどの生産量を2010年までに現在の3倍にするという大統領令が出されているが、こうした欧米の動きに比べ日本の対応がはるかに遅れていることを浮き彫りにした形となった。
(F.S)