省エネ・新エネ普及Net エネルギージャーナル社
省エネ・新エネ普及推進協議会 関連情報

省エネ・新エネ普及ネット会報 第21号 2001年4月


風力発電2010年度300万kWに

新エネ部会 新導入目標了承

市場拡大策はRPS方式


 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会は4月6日、先に資源エネルギー庁が示した2010年度における新エネルギー(供給サイド)導入目標を原油換算で1,910万klとする案をほぼ了承した。中でも、風力発電は現行目標の30万kWを10倍の300万kWに引き上げた点が特徴。
 2010年度にCO2など温室効果ガス削減目標(90年比6%減)を達成するには、約2,000万トンを削減する必要があり、長期エネルギー需給見通しの改定作業を進めている。このうち新エネの導入目標を引き上げ、設備規模でみると、太陽光482万kW、風力300万kW、廃棄物417万kW、バイオマス33万kWなど、原油換算で計1,910万klの削減を2010年度の目標にすることにした。
 同時に需要サイドではクリーンエネルギー自動車は348万台、燃料電池は220万kWが目標(天然ガスコージェネレーションは調整中)。
 この目標を達成するために、同庁は新エネ市場拡大策として、(1)特定計画に沿った購入(+価格差補てん)(2)購入義務づけ(3)クオータ制+グリーン証書(RPS方式)3ケースをオプションとして示した。
 (1)は政府が新エネ発電促進目標を設定、これに基づき電気小売り事業者が導入計画を策定して届け出ることにし、回避可能な原価との差額を補てんするか、料金に転嫁するという方式。(2)は一般電気事業者に対し、域内の新エネ電源(業務用)からの購入を義務づけるというもの。
 これに対し、(3)は電気小売り事業者に対し、年間販売電力量に応じて一定の「グリーン証書」の保有を求めるという方式で、その保有量を目標年度(2010年度)に向けて段階的に引き上げる。「グリーン証書」は再生可能エネルギーによる発電に対して発行されるが、市場における売買も認めている。
 このほか、この日の部会では2010年度の新たな目標を達成するには年間299億円の追加費用が必要になるという試算も示された。これは販売電力量当たりのコストでみると、10年間の平均で3.1銭/kWhとなり、平均世帯で月額9円の負担になるが、この負担のあり方につては今後検討することにしている。
 これを受けて4月25日の新エネ部会は、RPS方式の導入を確認、経済産業省は来春の通常国会に法案を提出、2003年度の施行をめざすという。しかし、電力業界は、この方式は海外でも成功例がないなどの理由で反発をみせており、法制化にはなお曲折がありそうだ。


 2010年、700万kl削減追加

省エネ部会報告

ライフスタイル転換も促進


 総合資源エネルギー調査会省エネルギー部会は4月17日開催の同総合部会に、今後の2010年目標の省エネルギー対策に関する報告を提出した。報告は各部門別の新規(追加)対策を盛り込んでいるが、うち民生部門では現行対策の削減効果1,400万kl(原油換算、以下同)に約460万klを上乗せする対策を追加している。
 民生部門における対策はトップランナー方式による機器の効率の改善(540万 kl)と住宅・建築物の省エネ性能の向上(860万 kl)の合わせて1,400万klの削減を見込んでいたが、今回新たに業務用ビルエネルギー・マネジメントシステムの普及(ESCOを含む160万 kl)、トップランナー機器の拡大(120万 kl)、待機電力の削減(40万 kl)など合わせて460万 klの削減を上乗せして、計1,860万 klの削減を見込んだ。
 一方、運輸部門ではトップランナー基準適合車の加速的導入(50万kl)、ハイブリッド自動車など車種の多様化の推進(50万kl)の計100万klを上乗せし、現行対策の1,590万klと合わせて、1,690万 klにする。これに対し、産業部門は中小企業用の高性能工業炉の導入(40万 kl)だけの上積みにとどまり、現行の自主行動計画(2,010万 kl)と合わせて2,050万 klの削減。
 これに部門横断的な省エネ対策効果を加えると、追加対策の効果は700万klとなり、現行対策効果と合わせて5,700万 kl(いずれも暫定値)の省エネが新たな目標となる。
 報告は特にライフスタイルの転換に向けた対策に触れ、「常時意識的に省エネのための努力を継続しなくとも、エネルギーの効率的利用が実行できるような機器やシステムを国民が選択することにより、できる限り国民が負担感を感じることなく、無理なく省エネ行動を行えるような支援策を新たに講じていくことが必要である」と強調。一方で、サマータイム(夏時間)制度の導入に関して、「今後とも引き続き国民の理解が促進されるような環境作りを行っていくことが必要である」と述べている。

 

 「グリーン電力証書」20社と契約

日本自然エネ 1期分年2,550万kWh


 日本自然エネルギー鰍ヘ4月5日、「グリーン電力証書システム」(企業向けグリーン電力制度)の第1期分(3月末まで)契約が20社に達したと発表した。年間契約電力は計2,550万kWhで、これは一般家庭7,000軒分の電力消費に相当するという。契約は15年間で、すべて風力発電による。
 また、20社から受託した風力発電の再委託先として、同社は銚子屏風ケ浦風力発電所(1,500kW、今年8月運転開始)、熊代風力発電所(14,400kW、同12月)、南十和田風力発電所(7,650kW、来年10月)と15年間の委託契約を行った。
日本自然エネルギーは今夏以降、契約した20社に対し、発電実績に基づいて「グリーン電力証書」を発行、企業側はこれにより省エネルギーおよび環境対策の実績としてカウントすることができる。また、発行された証書マークの活用で、企業イメージの向上に役立てることも可能になる。
 同社では引き続き契約企業の拡大に努め、計100万kW規模の導入をめざす。同社は昨年11月に設立され、東京電力が51%、住友商事、三井物産が各10%出資している。 契約先企業は次の通り(年間契約量万kWh)。
 ソニー(450)、セイコーエプソン(200)、トヨタ自動車(同)、アサヒビール(100、以下同)、エーザイ、関電工、住友金属鉱山、住友商事、東京海上火災保険、東京ガス、東京電力、日本ユニシス、ハザマ、日立製作所、前田建設工業、三井住友銀行、三井物産、三菱地所、三菱重工業、リコー


環境重視国家をめざす

GLOBE Japanがシンポ


 地球環境国際議員連盟(GLOBE Japan)が4月16日、東京都内で「環境重視国家を目指して」と題するシンポジウムを開いた。基調講演で川口順子環境相は「21世紀は環(わ)の国造りが重要」と、強調、燃料電池やITなど科学技術による補完と、システムの再構築、変革によるネットワーク型社会への移行を提唱した。
 続いて、小杉隆 GLOBE Japanスペシャル・アドバイザーが「深刻化する温暖化」、加藤修一参院議員が「環境ホルモンと化学物質」と題して、それぞれ講演。さらに、「グランドデザインの構築一循環型社会の推進」と題したパネルディスカッションで、永田勝也・早大教授のほか、家電、自動車、建設業界の代表がリサイクルの現状、各業界の取り組みを報告、議員メンバーなどとの質疑を行った。
 一方、自民党総裁選立候補中の橋本龍太郎前行革担当相は(同議連会長)は特に発言を求め、ブッシュ米大統領が京都議定書からの離脱を表明したことについて、「大変残念な事態」と述べた。同氏は「気候変動枠組み条約は現大統領の父であるブッシュ元大統領の決断で締結されたといういきさつもあり、今回の離脱表明にはいささか驚かされた」と遺憾の意を表明するとともに、非公式閣僚会議などの場で、川口順子環境相が米国に翻意を促すよう働きかけることを要請した。
 GLOBE Japanではこれに先立ち、4月4日付でブッシュ大統領に遺憾の意を表わす書簡を送ったが、この中で「米国が他の先進国とともに、国際的な協力体制の一角を担うことを希望する」と訴えた。


自転車道設置を義務づけ

道路構造令を改正

生活道路ではクルマ減速措置


 政府は4月20日の閣議で道路構造令(政令)の改正を決めた。今回の改正について国土交通省は、従来、自動車道を主体として道路構造を定めてきたが、今後は歩行者、自転車、路面電車などの公共交通機関、植樹帯(緑)、および自動車のための空間をそれぞれ独立に位置づけ、道路構造の再構築、見直しを行うため、と説明している。施行は7月から。
 改正の最大のポイントは、自動車から独立した歩行者・自転車の通行空間の確保。このため、自転車道、自転車歩行道、歩道の交通量に応じて幅員を定めることにした。この結果、都市部の新設、改築道路においては自転車道の設置が義務づけられることになった。
 自転車道の設置に関しては、自動車、自転車、歩行者の「交通量が多い」道路とされているが、その目安は1日当たり自動車500〜1,000台、自転車500〜600台という。従って、都市部の大半の道路に自転車道を設置することになりそうだ。
 一方、住宅地域の生活道路においては、歩行者、自転車の安全を確保するため、自動車を減速させることとし、路肩の路面にハンプ(凸部)を設けたり、道路をS字化するなどの措置をとる。
 このほか、今回の改正では路面電車の走行空間を確保するため、独立の軌道や乗降空間の確保を盛り込んでおり、長らく続いてきたクルマ中心の道路構造が温暖化対策などを背景に、大きく転換する第一歩を踏み出した。


自転車利用で論文募集

東京都 キャンペーンも


 東京都が自転車の利用を促進しようと、「自転車の似合う道」と題して論文とアイデアを募集している。これは安全かつ快適に自転車が走れる道路空間をどのように確保するかについて都民とともに考えるほか、自転車の価値を認識し、関心を高めることをねらった事業。低公害車の駐車場料金割引、ロードプライシングの導入検討など、都の“脱クルマ作戦”が本格化してきた。
 論文部門は一般の部(法人、グループ、個人)と学生の部(大学、大学院生)があり、大賞は30万円、最優秀賞10万円(各部)。アイデア部門は作文の部とビジュアル(絵、ポスター、イラストなど)の部があり、大賞は10万円。応募の締切は9月14日。
 これに合わせて都では4月7日から3日間、募集キャンペーンを実施、最新の自転車の展示、自転車利用環境整備モデル都市(国土交通省指定)の紹介、海外の自転車道整備事例の紹介などを行い、自転車の利用と応募を呼びかけた。



米の京都議定書離脱表明をどうみる?

 ▼米ワシントン・ポスト紙は3月31日付けで、「大統領は米国の国益が先決であると言明した。しかし、科学者が野放図な温暖化の影響と見ている洪水や干ばつなどを防止し、米国民の未来を守るという大前提はどうなるのだろうか」と、米国の京都議定書からの離脱表明について、このように論評した。
 ▼ブッシュ大統領の離脱表明は蜂の巣をつついたような騒ぎを世界中に起こしている。確かに「米国の人口が世界のわずか4%なのに、CO2排出量は世界の25%にも上るためだ。米国人一人当たりの排出量は途上国平均の10倍、ネパールと比べると280倍にもなる」(4月8日付毎日)とあっては、大騒ぎになるのもうなづける。
 ▼日本政府も「米国の参加は不可欠」として、政府・与党代表団を派遣、説得に努めた。これに対し、米側は「京都議定書と異なる方法で温暖化対策に取り組む」と、離脱の意志が固いことを伝えたという。米国の姿勢を変えさせることは相当難しいという情勢になりつつある。
 ▼ところが、EUはかならずしも悲観論に傾いていない。米国抜きの議定書発効も視野に入れる一方、CO2排出量の8.5%を占める日本を取り込むことを狙っているフシもみられる。このあたりがEUのしたたかなところだ。この日本を「ひ弱な優等生」(4月18日付日経)と評する向きもある。
 ▼佐和隆光・京大教授は米国の離脱表明を「熾烈な条件闘争の始まり」(4月3日付日経)とみる。これからどのような展開をみせるか、全く予断を許さないが、最後に方向を決めるのは米国の世論かもしれない。また、米国の離脱表明で火の粉が降ってきた感もある日本も、眠りから醒める機会が訪れたようだ。  (I)



<文献紹介>

今尾 恵介  『路面電車』

 日本で最初に路面電車が走ったのは京都で、1895年(明治28年)という。以来、全国に広がり、最盛時の1932年(昭和7年)には67都市1,479kmに達したが、これは現在の19都市223kmの約7倍だそうだ。こうした変化に思いを馳せる人は少ないかもしれない。
 戦後、各地で路面電車が姿を消していった最大の理由は、言うまでもなくモータリゼーションの急速な進行である。車にとって『邪魔な』存在とみなされたのだ。その路面電車が今、効率、環境、街づくりなどの観点から新たな公共交通として見直されつつある。
 本書はこうした背景をもとに、国内、欧米の電車に実際に乗車し、ことこまかに実情を伝えている。例えば長崎電気軌道は16年間も全線100円均一で運行し、1日当たり約5.8万人の利用客があるとか、同軌道とともに広島電鉄はこれまで路線の廃止がひとつもないなど、意外に 『健闘』している姿も紹介されている。
 欧米でも日本と同様、クルマに押されて廃止が続いたが、1960年から70年以降、各地で復活。名称もドイツ語でシュタットバーン(英語名LRT)という軽量でかつ低床型の、従来のイメージを一新した電車と路線が急ピッチで増えている。
 その発想は車道を削減ないしは廃止して、電車と幅広い歩道を整備する点でほぼ共通している。欧米では一般に改札がなく、その分、定時運行が可能という。ダイムラー・クライスラーやシーメンスが電車を製造していることも本書で初めて知った。

(ちくま新書 本体680円)




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