4月に地球温暖化対策推進法と改正省エネルギー法が施行され、CO2等の削減に向けた法整備が緒についたと言えます。しかし、97年12月の京都会議(COP3)で合意された削減数値目標(90年比6%削減)の達成というハードルはいかにも高く、この二法の施行もかすみがちです。
ただ、温暖化防止の決め手というものが存在しない以上、考えうるあらゆる対応策を試みる必要があると思います。その意味で二法の施行も前向きにとらえ、その成果を見守っていきたいと考えます。同時に、国ばかりでなく、自治体、企業、個人(市民)の各レベルで有効と考えられる対策をどんな小さなことでも実行に移していくことが求められています。
当協議会はこうした各レベルで実践されている地道な行動をフォローして情報を共有するとともに、それをネットワーク化してより大きな潮流に育てることを目的にしています。埼玉県川越市が実践中の「1%節電運動」が大きな成果をもたらしているように、ささやかなことでも積み上げれば予想外の効果をもたらすものです。そうした小さな芽を大事にしたいと考えています。
省エネをめざす行動は個人に従来のライフスタイルからの転換を迫るケースがままあります。自家用車の使用を抑制して、自転車や公共交通機関をできるだけ利用するとか、冷暖房の設定温度を調節するなど従来の慣習からすれば、不便と感じることがあれこれ出てきます。同時に自転車や公共交通機関を利用したいと考えても、ネックが多々あることも事実です。協議会ではこうしたテーマにも踏み込んでいきたいと考えています。
また、化石燃料に代わる新エネルギーを一段と普及させるため、現行制度の問題点を検討し、普及促進策を提言したいと思います。太陽光、風力、廃棄物発電にとどまらず、バイオマス、雪エネルギーなど未利用資源の活用など幅広い代替エネルギーの利用を呼びかけていきたいと考えています。
以上のようなテーマに関して会員の皆様から情報や御意見をいただき、政策提言としてまとめていくことが協議会の当面の使命です。情報やご意見はこの会報に掲載して幅広くお知らせするとともに、テーマを絞ってシンポジウムや研究会を随時開くことを考えております。事務局にご意見や情報をどしどしお寄せ下さい。また、未加盟の団体(企業)や個人の方に参加を呼びかけていただければ幸いです。国際公約である温暖化ガスの削減に向けて、ネットワークを拡大したいと考えております。